●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-22.Intro.3:1 ~ T-22.Intro.4:10

3. A holy relationship starts from a different premise. Each one has looked within and seen no lack.

  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
  • different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
  • premise [prémis] : 「前提、仮定s」
  • within [wiðín] : 「中、内部、内側」
  • seen [síːn] : 「see の過去分詞形」
  • lack [lǽk] : 「不足、欠乏、欠如、欠落」
❖ "A holy relationship ~ "「神聖な関係性は、異なった前提からスタートする」。幻想世界で構築される特別な関係性は、分離と断絶、異質性と罪の意識からスタートしたが、実相世界でホーリー・スピリットと結ぶ神聖な関係性、あるいは、神の子同士が結ぶ神聖な関係性は、それとは完全に反対の前提からスタートする。"Each one has ~ "「各々が内面に目をむけ、そこに欠落を認めないのだ」。心の中を覗いたとき、何一つ欠けるものがないと認識するのである。つまり、神が与えてくれた神の属性のすべてを目撃することになる。神の子として、完璧な姿を見ることになるのだ。



Accepting his completion, he would extend it by joining with another, whole as himself.
  • accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • completion [kəmplíːʃən] : 「完成、完了、終了」
  • extend [iksténd] : 「広げる、伸ばす、拡張する、拡大する」
  • join [dʒɔ́in] : 「参加する、交わる、一緒になる」
  • another [ənʌ́ðər] : 「もう一つ、もう一人」
  • whole[hóul] : 「全部の、完全な、全体の、丸ごとの」
❖ "Accepting his ~ "「彼が(神の子として)完成されていることを受け入れて、」"he would extend ~ "「彼同様に完全なる他者と交わることで、その完成を拡張するのである」。彼は実相世界に目覚め、自分が神の子として完成された存在であること、つまり、神が創造したままに、神の属性のすべてを継承していることを確認するのである。彼は分離も断絶もすることなく、他の神の子とその心を融合させていく(joining with another)。本来、神の子は単一存在であったからだ。その、心を融合させる相手の神の子も、彼同様に完全な姿であり(whole as himself)、次々に、神の子同士は結合、融合していくのである。かくして、神の子としての完成(completion)は、拡張(extend)、増大していくのである。



He sees no difference between these selves, for differences are only of the body.
  • difference [dífərəns] : 「違い、差異、相違」
  • between [bitwíːn] : 「〜の間に」
  • selves [sélvz] : 「self の複数形、自分たち」
❖ "He sees no difference ~ "「彼は、神の子同士の間に、一切の違いを見ることはない」。"for differences are ~ "「なぜなら、違いとは、単に肉体だけがもっているものだからだ」。肉体だけは、異なっているように見えようが、心は融合していき、違いは消滅する。まさに、自他一如となるのだ。



Therefore, he looks on nothing he would take. He denies not his own reality because it is the truth.
  • therefore [ðέərfɔ̀ːr] : 「それ故に、そのために、従って、だから」
  • look on : 「〜を見る」
  • take [téik] : 「〜を取る、取り込む」
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する、拒む、拒絶する」
  • reality [riǽləti] : 「現実、真実、事実、実態、実相」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
❖ "Therefore, he looks on ~ "「したがって、彼は、(他者から)奪い取りたいものなど、何も目にすることはない」。彼は何一つ欠けることなく持っており、他者も同様にすべてを持っている。何一つ、他者から奪い取らねばならないものはないのだ。"He denies not his ~ "「彼は、彼自身の実相を否定しない」。"because it is ~ "「なぜなら、それが真実であるからだ」。神の子として、神の属性のすべてを継承し、神の子同士は単一の存在であるという神の子の実相を、彼は否定するどころか、喜びをもって受け入れるのだ。なぜなら、それが真実であり、幻想世界の分離断絶は幻想に過ぎなかったのだと知ったからである。



Just under Heaven does he stand, but close enough not to return to earth.
  • under [ʌ́ndər] : 「〜の真下に、〜下部に」
  • close [klóus] : 「近い、接近した、近接した、緊密な」
  • enough [inʌ́f] to do : 「〜するのに十分な、〜するに足りるほど」
  • return [ritə́ːrn] : 「戻る、帰る、返還する」
  • earth [ə́ːrθ] : 「地、地面、地球、地上、全世界」
❖ "Just under Heaven ~ "「ちょうど天の王国の真下に、彼は立っている」。"but close enough not ~ "「ただし、地上に戻ることが出来ないほど、接近しているのだ」。幻想世界を離れて、もうすぐ、実相世界である天の王国に手が届くのだ。



For this relationship has Heaven's holiness. How far from home can a relationship so like to Heaven be?
  • holiness [hóulinis] : 「神聖、高潔」
  • far from : 「〜から遠くに、〜からは程遠い、決して〜ではない」
❖ "For this relationship ~ "「なぜなら、この神聖な関係性は、天の王国の神聖さをもっているからだ」。『類は友を呼ぶ』という言葉通り、関係性の神聖さは、天の王国の神聖さを呼ぶのだ。"How far from home ~ "「天の王国とそれほどに似ている関係性が、故郷を遠く離れていることなど、どうして出来ようか」。神聖な関係性を築けば、どんどん天の王国へ近づいていくのだ。あたかも重力で引き合っているかのようだ。神聖な関係性は実相的であり、真実であり、喜びであり、平和であるからだ。



4. Think what a holy relationship can teach! Here is belief in differences undone.
  • teach [tíːtʃ] : 「〜を教える、指導する」
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条、信頼」
  • undone [ʌndʌ́n] : 「undo の過去分詞形」
  • undo [ʌndú] : 「〜を元に戻す、元どおりにする、取り消す」
❖ "Think what a holy ~ "「神聖な関係性が教えることの出来ることに思いを巡らせなさい」。"Here is belief in ~ "「ここにおいて、相違性を信じていたことが取り消されるのだ」。幻想世界にあっては、神の子同士は分離し、肉体同様に、心も違った存在として見えていたが、また、そういうものだと信じていたが、神聖な関係性を築く中で、それが取り消しにされるのである。つまり、神の子はすべて等しく、単一であり、違いというものは存在しないと知るのである。自他一如を知るのである。相違性、異質性は取り消される。



Here is the faith in differences shifted to sameness. Reason now can lead you and your brother to the logical conclusion of your union.
  • faith [féiθ] : 「信頼、信用、信じること、信仰、信条」
  • shift [ʃíft] : 「移す、入れ替える、切り替える、シフトする」
  • sameness [séimnis] : 「同一性、類似、酷似、単調」
  • reason [ríːzn] : 「理性、理知、良識、分別、正気」
  • lead [líːd] : 「導く、案内する、率いる、指導する、指揮する」
  • logical [lɑ́dʒikl] : 「論理にかなった、当然な、道理にかなった」
  • conclusion [kənklúːʒən] : 「結論、決定、結末、結果、終わり、終局」
  • union [júːnjən] : 「結合、合併、融合、団結」
❖ "Here is the faith ~ "「ここにおいて、異質性を信じていた気持ちは、同一性を信じる気持ちにシフトするのである」。幻想世界の異質性から、実相世界の同一性へのシフト。二元論から一元論へのシフトである。"Reason now can ~ "「今や、正気さは、心の結合の論理的帰結に向けて、あなたとあなたの同胞を導いて行くことが出来る」。"the logical conclusion"「論理的帰結」とは、少々おどろおどろしい表現ではあるが、実相に目覚めた心と心が結合し、一体となって天の王国へ回帰し、そこで、神に出会うことになる、という帰結。あなたの心の最も純粋で神聖な部分に住む正気さが、つまり、ホーリー・スピリットが、あなたを導いてくれるのだ。



It must extend, as you extended when you joined. It must reach out beyond itself, as you reached out beyond the body, to let yourselves be joined.
  • extend [iksténd] : 「広げる、伸ばす、拡張する、拡大する」
  • join [dʒɔ́in] : 「加入する、参加する、交わる、一緒になる」
  • reach out : 「手を伸ばす、差し出す、接触する、救いの手を差し伸べる」
  • beyond [bijάnd] : 「〜を越えて、〜を過ぎて、〜の域を越えて」
❖ "It must extend"「あなたが(同胞と)結合したとき、あなたが拡張したように、それは、拡張するに違いないのだ」。"It"とは、"sameness"「同一性」と捉えておく。あるいは、同一性の"the logical conclusion"「論理的帰結」と考えてもいいだろう。"It must reach out ~ "「それは、自己を越えて手を伸ばして行くに違いない」。あなたと同胞の異質性が同一性にシフトし、それがどんどん伝播して、すべての同胞が異質性から同一性に質転換して行くのである。そして、同一性は、単に神の子だけにとどまらず、神の子とホーリー・スピリット、神の子とホーリー・スピリットと神自体、つまり、三位(さんみ)に及んで、一体となっていく。この事情を"beyond itself"「自己を越えて」と表現したのであろう。"as you reached out ~ "「ちょうどあなたが、肉体を越えて手を差し伸べ、あなた自身を結合させたように」。



And now the sameness that you saw extends and finally removes all sense of differences, so that the sameness that lies beneath them all becomes apparent.
  • saw [sɔ́ː] : 「see の過去形」
  • finally [fáinəli] : 「ついに、最後に、最終的に、とうとう、やっと」
  • remove [rimúːv] : 「取り除く、取り去る、取り外す、除去する」
  • sense [séns] : 「感覚、感覚能力、官能、感触、知覚」
  • so that : 「その結果」
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
  • beneath [biníːθ] : 「〜の真下に」
  • become [bikʌ́m] : 「 〜になる」
  • apparent [əpǽrənt] : 「はっきり見える、明らかな、明白な」
❖ "And now the sameness ~ "「そして今や、あなたが目撃した同一性は拡張し、ついには、異質性の感覚のすべてを取り除いてしまうのである」。"so that the sameness ~ "「その結果、異質性の下に存在していた同一性がすべて、はっきり見えるようになるのである」。異質性は幻想であって、幻想が、真実である同一性を覆い隠していたのである。その幻想の黒雲が晴れて、真実の同一性が明白に顕れてくるわけである。



Here is the golden circle where you recognize the Son of God. For what is born into a holy relationship can never end.
  • golden [góuldn] : 「金の、金色の、素晴らしい」
  • circle [sə́ːrkl] : 「円、円周、仲間、輪、集団」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「〜を認識する、〜を認証する、認める、受け入れる」
  • be born [bɔ́ːrn] : 「生まれる、誕生する、産声を上げる」
  • end [énd] : 「終わる、途切れる」
❖ "Here is the golden circle ~ "「ここにこそ、あなたが神の子を認識する黄金の輪があるのだ」。"the golden circle"「黄金の輪」とは、ACIMで初めて登場した言葉であるが、"an arc of golden"「黄金のアーク」という言葉は出ているので、同一の言葉と考えていいだろう。天の王国を視覚的に表現したものと捉えていい。"For what is born ~ "「なぜなら、神聖な関係性の中で生まれたものは、決して終わることはないからだ」。あなたが同胞と、あるいはホーリー・スピリットと築いた神聖な関係性は、永遠に続く性質を有しているのである。むしろ、時間を超越した性質を帯びていると言った方が正確かもしれない。したがって、神聖な関係性は実相性を有しており、あなたの目に、実相世界、天の王国が見え始めるのだ。それが、"the golden circle"「黄金の輪」であり、"an arc of golden"「黄金のアーク」である。ここまで来れば、あなたに残された課題は、その輪の中に、アークの中に、天の王国へ入城することだけなのだ。
 
 
 

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