●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-21.VII.3:1 ~ T-21.VII.4:7

3. Frantic and loud and strong the dark ones seem to be. Yet they know not their "enemy," except they hate him.

  • frantic [frǽntik] : 「取り乱した、半狂乱の、狂乱した、気違いじみた、狂気じみた」
  • loud [láud] : 「大きな声を出す、騒々しい、けばけばしい、派手な、不快な」
  • strong [strɔ́ːŋ] : 「強い、力がある、強固な、頑丈な」
  • dark [dάːrk] : 「暗い、闇の、暗黒の、陰気な、卑劣な、暗闇の」
  • enemy [énəmi] : 「敵、敵国」
  • except [iksépt] : 「〜以外は、〜を除いては、〜を別にすれば」
  • hate [héit] : 「〜を憎む、〜をひどく嫌う」
❖ "Frantic and loud and ~ "「暗闇の住人は、半狂乱で声高で、凶暴そうに見えるだろう」。"Yet they know not ~ "「しかし、彼らは、『敵』を憎んでいながら、その敵が誰なのか知らないのだ」。もちろん、その『敵』は自分自身なのだ。神の子を憎みながら、自分が神の子であることを知らない。



In hatred they have come together, but have not joined each other. For had they done so hatred would be impossible.
  • hatred [héitrid] : 「強い嫌悪、憎しみ、憎悪、嫌悪、毛嫌い、嫌忌」
  • in hatred : 「憎しみのあまり、憎悪のあまり」
  • come together : 「一緒になる、協力する、団結する、一体となる」
  • join [dʒɔ́in] : 「結合する、〜と交わる、〜と一緒になる」
  • each other : 「お互い」
  • impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない」
❖ "In hatred they have ~ "「憎しみの中で、彼らは一緒になってきた」。"but have not ~ "「しかし、互いに結合することはなかった」。"For had they done ~ "「なぜなら、結合してしまったら、憎しみは不可能になってしまうからだ」。心を孤立させたままで他者を憎むのである。心を融合させてしまったら、憎むことが出来なくなってしまうからだ。いわば、憎むことが彼らの生き甲斐である。憎むことで、生きている実感を得ているからだろう。



The army of the powerless must be disbanded in the presence of strength.
  • army [άːrmi] : 「軍隊、陸軍、軍」
  • powerless [páuərlis] : 「効果がない、無能な、力のない」
  • disband [disbǽnd] : 「解散する、解体する」
  • presence [prézns] : 「存在すること、存在」
  • in the presence of : 「〜の存在下で、〜の面前で」
  • strength [stréŋkθ] : 「力、強さ、体力、知力、精神力」
❖ "The army of ~ "「パワーなき者達の軍隊は、力の存在に出会うと、解体してしまうに違いない」。軍団とは言え、心はバラバラなのだから、ちょっとした摂動が加わっただけで、簡単に解体してしまうのだ。



Those who are strong are never treacherous, because they have no need to dream of power and to act out their dream.
  • treacherous [trétʃərəs] : 「不誠実な、裏切りをする、当てにならない」
  • dream of : 「〜の夢を見る、〜を夢見る」
  • act out : 「行動で示す、態度に表す」
❖ "Those who are ~ "「(本当に)強い者達は、決して裏切ることはない」。"because they have ~ "「なぜなら、彼らは、パワーを持つ夢を見る必要を感じていないし、夢を実現しようなどと思わないからだ」。実相世界に目覚めた、心の強い者達は、幻想世界で強者になりたいなどとは決して思わない。幻想の中の強者など、夜見る夢の中のモンスターと等しいと、知っているからだ。彼らは、強くなりたいなどという虚勢を張ることがなく、自然のままで生きているから、自分を含めて、誰かを裏切るようなことはない。簡単に言えば、強い者は誠実なのだ。



How would an army act in dreams? Any way at all. It could be seen attacking anyone with anything.
  • act [ǽkt] : 「振る舞う、演じる、演技をする、作動する」
  • any way : 「なんらかの方法で」
❖ "How would ~ "「軍隊は、夢の中で、どんな振る舞いをするのだろうか」。"Any way ~ "「手当たり次第、何でもだ」。"It could be ~ "「誰彼かまわず、あれやこれやの手段で攻撃している様が見えることだろう」。敵が何ものなのかもわからないし、自分が虚弱であることを知っているので、攻撃手段もめちゃくちゃなのだ。



Dreams have no reason in them. A flower turns into a poisoned spear, a child becomes a giant and a mouse roars like a lion.
  • reason [ríːzn] : 「理性、理知、良識、分別、正気」
  • flower [fláuər] : 「花」
  • turn into : 「〜に変わる、〜に変化する」
  • poison [pɔ́izn] : 「〜に毒を盛る、毒する」
  • poisoned : 「毒を塗った、毒入りの」
  • spear [spíər] : 「槍」
  • giant [dʒáiənt] : 「巨人、巨漢」
  • mouse [máus] : 「ネズミ、ハツカネズミ」
  • roar [rɔ́ːr] : 「大声で叫ぶ、わめく、うなる、ほえる」
  • lion [láiən] : 「ライオン」
❖ "Dreams have no ~ "「夢は、正気さを一切持たない」。"A flower turns ~ "「花は、毒の槍に変わるし、」"a child becomes ~ "「子供は巨人に、ネズミはライオンのように吠える」。夢は何でもありの世界である。神の子を攻撃する軍隊も、同様に、何でもありで攻撃するのだ。そこには、正気さのかけらもない。



And love is turned to hate as easily. This is no army, but a madhouse. What seems to be a planned attack is bedlam.
  • turn to : 「〜に変わる〜に変化する」
  • hate [héit] : 「憎悪、憎しみ、嫌悪」
  • easily [íːzili] : 「容易に、たやすく、苦もなく、あっけなく」
  • madhouse : 「混乱した場所、精神病院」
  • planned : 「計画された」
  • bedlam [bédləm] : 「不穏な騒ぎ、混乱、気違いざた、騒々しい混乱の場所」
❖ "And love is ~ "「愛は、いかにも容易に憎しみに変わる」。"This is no ~ "「これは、もう軍隊ではなく、気違いハウスだ」。"What seems to ~ "「計画された攻撃に見えるものもさえ、狂気の沙汰だ」。まさに、夢の中の混乱、はちゃめちゃな大騒乱である。これが、この世界で繰り広げられている攻撃、争い、戦争の姿である。夢の中のどんちゃん騒ぎなのだ。



4. The army of the powerless is weak indeed. It has no weapons and it has no enemy.
  • weak [wíːk] : 「弱い、劣っている、力がない、脆弱な」
  • indeed [indíːd] : 「実に、本当に、確かに、いかにも」
  • weapon [wépn] : 「武器、兵器、凶器」
  • enemy [énəmi] : 「敵、敵国、かたき」
❖ "The army of ~ "「パワーなき者達の軍隊は、本当に弱い」。"It has no weapons ~ "「武器もなければ、第一、敵さえいない」。まさに、一人芝居なのだ。幻想の中で、一人、狂ったように踊っているのである。



Yes, it can overrun the world and seek an enemy. But it can never find what is not there.
  • overrun : 「圧倒する、制圧する、侵略する」
  • seek [síːk] : 「捜し求める、捜し出す、求める、追求」
❖ "Yes, it can overrun ~ "「確かに、その軍隊は、この世界を制圧することも出来ようし、敵も探せるだろう」。"But it can never ~ "「しかし、そこにないものを見つけることだけは、決して出来ないのだ」。幻想の中に敵を見つけることも、幻想の敵を制圧することも出来ようが、それは幻想に過ぎない。実相から見れば、それは夢であり、存在しない。存在しない敵を、どうして見つけ得ようか。存在しない敵を、どうして制圧し得ようか。



Yes, it can dream it found an enemy, but this will shift even as it attacks, so that it runs at once to find another, and never comes to rest in victory.
  • shift [ʃíft] : 「変わる、移る、転換する、移す、入れ替える、切り替える」
  • so that : 「その結果、それで、そのために」
  • at once : 「すぐに、瞬時に、早急に、即刻、即座に」
  • come to : 「〜に達する、なる、近づく、変わる、結果として〜になる」
  • rest [rést] : 「休息、休養、睡眠、眠り、静養、保養」
  • victory [víktəri] : 「勝利、優勝、克服、征服」
❖ "Yes, it can dream ~ "「そう、確かに、敵を見つける夢を見ることは出来よう」。"but this will shift ~ "「しかし、この敵は、攻撃されると、するりと姿を変えてしまうのだ」。夢の中の敵であるから、ネズミがライオンに化けることだって出来る。"so that it runs ~ "「その結果、軍隊は、また別の敵を探すために、すぐさま走り出さなくてはならない」。"and never comes ~ "「勝利の時を憩うことなど出来もしないのである」。



And as it runs it turns against itself, thinking it caught a glimpse of the great enemy who always eludes its murderous attack by turning into something else.
  • turn against : 「〜に敵対する、〜と反対の方向に向きを変える」
  • caught [kɔ́ːt] : 「catch の過去・過去分詞形」
  • glimpse [ɡlímps] : 「チラッと見ること、一目、ちらりと見えること、一瞥」
  • catch a glimpse of : 「〜をちょっと見る、〜を垣間見る、〜の片鱗をうかがう」
  • great [gréit] : 「大きい、大きな、巨大な」
  • always [ɔ́ːlweiz] : 「いつも、常に」
  • elude [ilúːd] : 「〜をうまく避ける、回避する、かわす、免れる」
  • murderous [mə́ːrdərəs] : 「殺人的な、非常に困難な、殺意のある、残忍な」
  • turn into : 「〜に変わる、〜に変化する」
  • something else : 「何か他のもの」
❖ "And as it runs ~ "「そして、走り回って敵を探しているうちに、その軍隊は、自分自身に出くわすのである」。敵を探し回っているうちに、ついには自分自身を敵と見て攻撃し始めるという意味。"thinking it caught ~ "分詞構文、付帯状況、「〜である大きな敵を、ついにちらりと見たように思いながら」。"who always eludes ~ "「何か別のものに姿を変えて、軍隊の殺人的な攻撃を、いつもうまくすり抜ける」大きな敵を、ついにちらりと見たように思いながら。それが、自分自身なのだ。かくして、軍隊は自分自身を攻撃することになる。



How treacherous does this enemy appear, who changes so it is impossible even to recognize him.
  • treacherous [trétʃərəs] : 「不誠実な、裏切りをする、当てにならない」
  • appear [əpíər] : 「〜のように見える、〜と思われる」
  • impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない」
  • recognize [rékəgnàiz] : 「〜を認識する、〜を認証する、認める、受け入れる」
❖ "How treacherous ~ "「この敵は、さぞかし、裏切り者に見えることだろう」。"who changes so ~ "「その敵たるや、認識不能にするために姿を変えてしまうのだから」。自分自身という敵は、自分自身を騙し、そして裏切るのである。
 
 
 

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