●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-22.II.2:1 ~ T-22.II.3:10

2. Truth is the opposite of illusions because it offers joy. What else but joy could be the opposite of misery?

  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
  • opposite [ɑ́pəzit] : 「反対側の、向かい側の、正反対の、逆の、あべこべの」
  • illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • offer [ɔ́ːfər] : 「差し出す、提供する」
  • joy [dʒɔ́i] : 「喜び、歓喜」
  • else [éls] : 「そのほかの」
  • misery [mízəri] : 「悲惨、不幸、苦痛、惨めさ、窮状」
❖ "Truth is the opposite ~ "「真実は、幻想に対峙するものである」。"because it ~ "「と言うのも、真実は喜びをもたらすからだ」。"What else but joy ~ "「喜びの他にいったい何が、惨めさに対峙するものだと言えるだろうか」。真実と喜びは実相世界の実在。幻想と惨めさは幻想世界の単なる夢。神の子が深い眠りの中で見る悪夢である。



To leave one kind of misery and seek another is hardly an escape. To change illusions is to make no change.
  • leave [líːv] : 「〜から離れる、〜と別れる、〜を見捨てる」
  • kind [káind] : 「種類、質、性質、本質」
  • seek [síːk] : 「捜し求める、捜し出す、求める、追求する」
  • another [ənʌ́ðər] : 「もう一つ、もう一人」
  • hardly [hάːrdli] : 「ほとんど〜ない、とても〜ない」
  • escape [iskéip] : 「逃亡、脱出、避難、逃げ道、逃避、回避」
  • change [tʃéindʒ] : 「〜を変える、〜を変更する、〜を変換する」
❖ "To leave one kind ~ "「一つの惨めさから離れ、他の惨めさを探すことは、とても惨めさからの脱出とは言えない」。"To change illusions ~ "「幻想を変えてみても、何の変化にもならない」。一つの悲惨さから逃れるために、また別の悲惨さに移ったとしても、根本的な悲惨さは消滅しないので、何一つ変化したことにはならないのだ。幻想に幻想を重ねても、真実が生まれるわけがない。そんな変化は、真実の変化ではない。



The search for joy in misery is senseless, for how could joy be found in misery?
  • search [sə́ːrtʃ] : 「捜査、捜索、探索、検索、調査、探査、探求」
  • search for : 「〜の捜索、〜への探求」
  • senseless [sénslis] : 「無分別な、非常識な、愚かな、無意味な」
  • found [fáund] : 「find の過去・過去分詞形」
  • find [fáind] : 「見つける、発見する、見いだす」
❖ "The search for ~ "「惨めさの中に喜びを探し出そうとすることも、意味のないことだ」。"for how could joy ~ "「なぜなら、どうやって、喜びは惨めさの中に見いだせようか」。前文同様、幻想の中に実相を発見することは不可能だ。初めから、ないからだ。



All that is possible in the dark world of misery is to select some aspects out of it, see them as different, and define the difference as joy.
  • possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る」
  • dark [dάːrk] : 「暗い、闇の、暗黒の」
  • select [səlékt] : 「〜を選ぶ、選び出す、選択する、選定する」
  • aspect [ǽspekt] : 「局面、状況、側面、様子、外見」
  • different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
  • define [difáin] : 「〜を定義する、〜を特徴づける、決める、規定する」
  • difference [dífərəns] : 「違い、差異、相違」
❖ "All that is possible ~ "「惨めさだらけの闇の世界で可能なこととは、惨めさの側面を選択することぐらいなものであり、」つまり、数ある惨めさから適当な惨めさを選り分けることが出来るくらいであり、"see them as ~ "「惨めさの違いを見て、その違いを喜びだと定義するだけである」。たとえば、病の惨めさより、貧乏の惨めさの方がまだましだと思って喜ぶとか、その逆を喜ぶことがあるだろう。社会的地位を失う惨めさより、恋人を失う方がましだと思って喜ぶとか、またその逆を喜ぶこともあるだろう。そのいずれにしても、惨めさそのものから逃れることは出来ないのだ。幻想世界それ自体から抜け出さない限り、惨めさからの脱出は不可能である。惨めさを渡り歩くことは、惨めさの濃度を深めるだけだ。



Yet to perceive a difference where none exists will surely fail to make a difference.
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • exist [igzíst] : 「存在する、生きている、生存する、存続する」
  • surely [ʃúərli] : 「疑いなく、しっかりと、確かに、確実に、必ず、間違いなく」
  • fail [féil] : 「失敗する、しくじる」
  • fail to : 「〜しない、〜しそこなう、〜できない」
  • make a difference : 「差異を来たす、差別をつける、違いを生じる」
❖ "Yet to perceive ~ "「しかし、何もないところに違いを知覚しようとしても、確実に、違いを見つけ損なうだろう」。幻想世界の惨めさという幻想の、その違いを弄(もてあそ)んでも、所詮何もない夢の中のあらがいなのだから、現実的で実質的な違いなど生まれようがない。惨めさが、手を変え品を替えて、だらだらと続くだけだ。



3. Illusions carry only guilt and suffering, sickness and death, to their believers.
  • carry [kǽri] : 「〜を運ぶ、〜を持ち運ぶ」
  • guilt [gílt] : 「犯罪、あやまち、有罪、罪」
  • suffering [sʌ́fəriŋ] : 「苦しむこと、苦しみ、苦痛、苦難、苦悩」
  • sickness [síknəs] : 「病気」
  • death [déθ] : 「死、消滅、死亡、破滅、終わり、終焉」
  • believer [bilíːvər] : 「信じる人、信奉者、信者」
❖ "Illusions carry ~ "「幻想を信じる者にとって、幻想は、罪の意識と苦しみだけを持ち運ぶ」。"sickness and death ~ "「それは、病であり死であったりする」。幻想世界を現実だと信じている者にとっては、現実は罪の生産場所であり、苦悩を生み出す場であり、病と死は避けられない運命だと信じ込まざるを得ないのだ。



The form in which they are accepted is irrelevant. No form of misery in reason's eyes can be confused with joy. Joy is eternal.
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、姿、体つき、種、種類、型」
  • accept [æksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • irrelevant [iréləvənt] : 「見当違いの、無関係の、不適切な、重要でない、無意味な」
  • reason [ríːzn] : 「理性、理知、良識、分別、正気」
  • confuse [kənfjúːz] : 「混乱させる、困惑させる、戸惑わせる、混同する」
  • eternal [itə́ːrnl] : 「永遠の、不変の、永久の、不滅の、無限の」
❖ "The form in which ~ "「彼らがどんな形の惨めさを受け入れているかは、重要ではない」。"No form of misery ~ "「惨めさの形(の違い)などで、正気さの目には、それを喜びと混同することはないからだ」。"Joy is eternal"「喜びとは永遠なのであるから」。心の中の純粋で神聖な部分にある正気さが、その心の目でヴィジョンを捉えるとき、幻想の惨めさがどんな形を取ろうとも、それを喜びと混同する可能性はまったくない。真実を見るヴィジョンが、幻想を実相と取り違えることはないのだ。そもそも、惨めさは変化流動するものであり、喜びは実相世界の永遠不変のものである。その違いは、誰の目にも歴然としているではないか。



You can be sure indeed that any seeming happiness that does not last is really fear.
  • sure [ʃúər] : 「確信して、確信している、固く信じている、自信がある、確かな」
  • indeed [indíːd] : 「実に、本当に、確かに、いかにも、実際に」
  • seeming [síːmiŋ] : 「外観上の、外見だけの、見せかけの、うわべの」
  • happiness [hǽpinəs] : 「幸福、喜び、幸せ」
  • last [lǽst] : 「続く、存続する、持続する、耐える」
  • really [ríəli] : 「実際には、ほんとうは、確かに、本当に」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖、懸念、心配、不安」
❖ "You can be sure indeed ~ "「実際、あなたは、that以下に確信をもてるのだ」。"that any seeming ~ "「長続きしないような、見かけの幸せなど、実際には恐れなのだ」と確信をもてる。惨めさを一時的に忘れることの出来るつかの間の幸せも、元を正せば幻想に過ぎず、恐れを生み出すものに過ぎない。つまり、この幸せもすぐに消え去ってしまうに違いないという恐れを抱かせるだけだ。恐れを抱かせる幸せが、真に幸せだと言えるだろうか。まるで、出征兵士を見送る、最後の晩餐ではないか。



Joy does not turn to sorrow, for the eternal cannot change. But sorrow can be turned to joy, for time gives way to the eternal.
  • turn [tə́ːrn] : 「変化する、転身する」
  • turn to : 「〜に変わる、〜に変化する」
  • sorrow [sɑ́rou] : 「悲しみ、悲哀、後悔」
  • give way to : 「〜に取って代わられる、〜に移行する、〜に交代する」
❖ "Joy does not ~ "「喜びが、悲しみに変わることはない」。"for the eternal ~ "「なぜなら、永遠なるものは変化出来ないからだ」。"But sorrow can ~ "「しかし、悲しみは喜びに変わることは出来るのだ」。"for time gives ~ "「なぜなら、時間は、永遠性にその道を譲るからだ」。時間は、永遠性に質転換することが出来る。幻想世界から実相世界へ目覚めることで、時間は消滅し永遠性が広がるのだ。同時に、悲しみは消滅し、永遠の喜びに質転換するのである。真実を見極める心の目が復活し、実相の真実を映し出すヴィジョンが生まれるとき、あなたの眼前に、すべてが逆転した光景が見えるだろう。そのとき、あなたは、真の喜びがどういうものであるか、初めてわかるのである。



Only the timeless must remain unchanged, but everything in time can change with time.
  • timeless [táimlis] : 「永久の、永遠の、時間を超越した」
  • remain [riméin] : 「残る、残存する、依然として〜のままである」
  • unchanged : 「変化していない、不変の、変わらない」
❖ "Only the timeless must ~ "「時間を超越したものだけが、不変の状態を保てるに違いないのだ」。"but everything ~ "「しかし、時間という枠組みに縛られているすべてのものは、時間と共に変化せざるを得ないのだ」。我々の住む幻想世界は、時間と空間の世界であり、変化流動を基本法則とする。対して、実相世界は無時間無空間の世界であり、永遠不変を基本法則とする。どちらの世界を優先し選び取るか、それはあなたの自由なのだ。では、あなたはどちらを選択するか? 



Yet if the change be real and not imagined, illusions must give way to truth, and not to other dreams that are but equally unreal. This is no difference.
  • real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の、実質的な」
  • imagine [imǽdʒin] : 「想像する、思う、心に描く、推測する、仮定する」
  • equally [íːkwəli] : 「等しく、同様に、一様に、平等に、同等に」
  • unreal : 「実在しない、非現実的な、実存しない、虚偽の、真実性のない」
  • difference [dífərəns] : 「違い、差異、相違」
❖ "Yet if the change be ~ "「しかし、もし変化が、実相的であり幻想的でないなら、」つまり、幻想世界でころころ変わる変化とは異質の、実相的な真の変化があるとすれば、それは、"illusions must give ~ "「幻想は、真実に道を譲らなくてはならず、」"and not to other dreams ~ "「幻想と同様に非現実的な他の夢に道を譲るようではならない」。"This is no ~ "「そんなことをしても、違いはないのだ」。幻想から真実へ変化することが、真の実相的変化である。幻想から幻想への変化は虚偽の変化であり、その間に違いはないのだ。あなたが真の変化を望むなら、今ある幻想から実相へという変化を望まなくてはならない。幻想から幻想への変化、たとえば、社会的地位から金の蓄積へと、あなたの関心を変化させても無意味なのだ。そんなことでは、真の喜びも、真の平和も、あなたの心には訪れない。幻想とは、あくまでも単なる夢に過ぎないのだ。
 
 
 

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