10. You have come very close to this. Faith and belief have shifted, and you have asked the question the ego will never ask.
- come close to : 「〜に近づく、〜に接近する」
- faith [féiθ] : 「信頼、信用、信じること、信仰、信条、信念、確信」
- belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条、信用、信頼」
- shift [ʃíft] : 「変わる、移る、転換する」
- ask [ǽsk] : 「〜を尋ねる、質問する、聞く、問う」
- question [kwéstʃən] : 「質問、問題、疑問、問い、質疑、疑義」
❖ "You have come ~ "「あなたは、この扉に、とても近いところまでやって来たのだ」。この扉とは、前段落の「あなたが叡智に対して閉ざしてしまった扉」のこと。したがって、あなたは、叡智と再会出来る地点の、その近くまでやって来た、という意味。"Faith and belief ~ "「信じる気持ち、信じる心は、シフトしたのだ」。幻想から実相へと、エゴからホーリー・スピリットへと、罪から真実へと、あなたの信じる対象がシフトしたのだ。"and you have asked ~ "「そして、エゴなら決して発しない疑問を、あなたは訊ねたのである」。それまで疑いもせず信じていた幻想一般に対して、それは本当に真実であろうか、と疑問を発する地点にまでやって来たのである。
Does not your reason tell you now the question must have come from something that you do not know, but must belong to you? - reason [ríːzn] : 「理性、理知、良識、分別、正気」
- tell [tél] : 「〜に話す、言う、告げる、教える、伝える」
- come from : 「〜から来る、〜に由来する、源を〜に発する」
- belong [bilɔ́ːŋ] : 「属する、所属する」
- belong to : 「〜に属する、〜の所有物である」
❖ "Does not your reason ~ "「今や、あなたの正気さは、〜であると、あなたに告げないであろうか」。"the question must ~ "「その疑問は、あなたの知らない何か、あなたに属している何かからやって来たに違いない」と、あなたに告げないだろうか。あなたの心の最も純粋で神聖な部分で、あなたの正気さは確かに目覚めており、そこから、疑問は発せられる。本当にお前の見ている世界は実在するのか、本当におまえは罪深いのか、本当にお前は進化しただけのサルなのか、本当にお前は他者から分離した存在なのか、等々の疑問が、あなたの心の純粋で神聖な部分に存在する正気さから、発せられるのである。
Faith and belief, upheld by reason, cannot fail to lead to changed perception. And in this change is room made way for vision. - upheld [ʌ̀phéld] : 「uphold の過去・過去分詞形」
- uphold [ʌ̀phóuld] : 「支持する、支える、上げる、持ち上げる」
- fail [féil] : 「失敗する、しくじる、破産する、倒産する」
- fail to do : 「 : 〜しない、〜しそこなう、〜できない」
- lead [líːd] : 「〜を導く、案内する、 〜を率いる、指導する」
- change [tʃéindʒ] : 「〜を変える、〜を変更する、〜を変換する」
- perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識、感じ方」
- room [rúːm] : 「場所、空間、余地、スペース」
- make way for : 「〜に道を譲る」
- vision [víʒən] : 「視覚、視力、洞察力、想像力、展望、構想」
❖ "Faith and belief ~ "「信じる気持ちと信じる心は、正気さに支えられているので、」"cannot fail to lead ~ "「誤ることなく、変化した知覚へと、つながっていくのだ」。正気さに支えられた、実相世界を信じる心は、幻想世界に順応させられた知覚を質転換し、実相世界に適応する叡智(knowledge)へと変えていく。"And in this change ~ "意訳する、「この変化によって、ヴィジョンへと通じる道が開けていくのだ」。知覚が叡智へと変化して行くにしたがい、あなたが目にする光景は変わっていく。幻想に騙されていた知覚の光景は消えていき、あなたの心の目が開いて、本当に存在する真実だけが見えてくるのだ。実相世界の光景が、目の前に展開し始める。それがヴィジョンだ。
Vision extends beyond itself, as does the purpose that it serves, and all the means for its accomplishment.- extend [iksténd] : 「伸びる、広がる」
- beyond [bijάnd] : 「〜の向こう、〜を越えて、〜を過ぎて」
- purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
- serve [sə́ːrv] : 「〜に仕える、〜のために働く」
- means [míːnz] : 「手段、方法、資力」
- accomplishment [əkάmpliʃmənt] : 「成就、偉業、成果、達成、完成 」
❖ "Vision extends ~ "「ヴィジョンは自己を越えて拡張していく」。実相世界の存在は、分かち合われることで拡張増大していくのである。心の目、叡智によって捉えられたヴィジョンもまた、実相世界で分かち合われ、拡張増大していく。それは無限に広がり、もちろん、自己をも超越していくのだ。"as does the purpose ~ "「ヴィジョンが仕える目的がそうであるように、また、その目的の成就のための手段すべてがそうであるように、」自己を越えて拡張していくのである。"the purpose that it serves"「ヴィジョンが仕える目的」とは、ホーリー・スピリットの神聖な目的のことで、神の子を実相世界に目覚めさせ、天の王国に回帰させるということだ。その手助けをするのが、ヴィジョンである。
VI. Reason versus Madness
正気 対 狂気
1. Reason cannot see sin but can see errors, and leads to their correction. It does not value them, but their correction. - sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
- error [érər] : 「誤り、間違い、ミス、誤字、誤用、過失」
- lead to : 「結果として〜に導く、結局〜となる、〜に通じる」
- correction [kərékʃən] : 「訂正、訂正個所、矯正、修正、是正、補正」
- value [vǽljuː] : 「重視する、大事にする、尊重する、重んじる」
❖ "Reason cannot ~ "「正気さは、罪を認識出来ないが、誤りは認識出来る」。"and leads to ~ "「そして、誤りを修正へと導いていく」。正気さが罪を認識出来ないというのは、認識する能力がない、という意味ではない。存在しない罪など、正気さのアンテナに引っかからないだけの話しだ。だが、誤りは、今は真実でなくても、それを修正して真実に向かわせることは出来る。だから、正気さは、誤りを認識出来るのである。アンテナは誤りを受信する。"It does not value ~ "「正気さは、誤りに価値を置いているのではない」。"but their ~ "「それを修正出来ることに、価値を置いているのだ」。誤りは、修正して初めて、実相的な価値を持つことになる。
Reason will also tell you that when you think you sin, you call for help. - also [ɔ́ːlsou] : 「〜もまた、同様に、また」
- sin [sín] : 「罪を犯す」
- call for : 「声を上げて〜を求める、〜を求めて呼ぶ、〜を呼び求める」
❖ "Reason will also tell ~ "「正気さは、また、あなたにthat以下を告げるだろう」。"that when you ~ "「あなたが罪を犯したと思ったときは、それは、あなたが助けを求めているのだ」とあなたに告げるだろう。あなたが罪を犯したと思うときは、あなたがホーリー・スピリットに、その罪の取り消しを求めているのだと了解すればいい。あなたはホーリー・スピリットの助けを求めているのであり、突き詰めれば、愛を求めているのだ。
Yet if you will not accept the help you call for, you will not believe that it is yours to give. - accept [əksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
- believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
- yours [júərz] : 「あなたのもの」
❖ "Yet if you will not ~ "「しかし、もしあなたが、あなたの求める助けを受け入れようとしないのなら、」"you will not believe ~ "「あなたは、助けは、(他者に)与える、あなたの助けでもあるということを、あなたは信じていないのだ」。少々、解釈の混乱する箇所である。実相世界では、与えることと得ることは同一である。そもそも、あなたと同胞は自他一如であるから、あなたが得ることとあなたが与えることは同じことなのだ。もし、あなたが助けを求めているにも関わらず、その助けを素直に受け入れることが出来ないなら、あなたは他者を、素直に助けることが出来ないのだ。あなたが助けを受け入れることは、他者を助けることにつながるということが信じられないからだ。
And so you will not give it, thus maintaining the belief. - thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして、こんなふうに」
- maintain [meintéin] : 「〜を保持する、維持する、保つ、堅持する」
❖ "And so you will ~ "「そこで、あなたは、(他者に)助けを与えることはないだろう」。"thus maintaining ~ "「こうして、その信念を保持し続けることになる」。その信念とは、前文から察すれば、あなたが助けを受け入れることは、他者に助けを与えることに等しいと信じることが出来ないという、その信念、ということになる。
For uncorrected error of any kind deceives you about the power that is in you to make correction. - uncorrected : 「訂正されていない」
- of any kind : 「いかなる種類の」
- deceive [disíːv] : 「欺く、惑わす、だます、裏切る」
- make correction : 「訂正する、矯正する」
❖ "For uncorrected error ~ "「なぜなら、いかなる種類の、修正されていない誤りでも、〜に関して、あなたを欺いているからだ」。"about the power that ~ "「あなたの心の中にある、修正するためのパワーについて、」 あなたを欺いているからだ。意味のとりにくい部分である。あなたは罪を犯してしまい、ホーリー・スピリットに助けを求める。しかし、あなたは、その助けを拒絶するのだ。その結果、同胞を助けることの出来る自分をも否定してしまうことになる。あなたは、自分の犯した罪は、既成事実として歴史に刻まれた、取り消し不能のものだと信じ込んでいるのだ。罪は修正不能だと信じているから、ホーリー・スピリットの助けを、素直に受け入れることが出来ないのである。そして、犯した罪を心に抱え込んだまま、あたかも烙印を押された者のように、墓場の中までその罪を持ち込もうと覚悟を決めている。しかし、それは真実ではない。あなたは、心に抱え込んだ修正されていない罪に騙されているのだ。本当は、あなたの心の中に、罪を修正し、取り消しに出来る強いパワーを持っている。罪は幻想に過ぎないのだと、真実を見抜くパワーを有しているのだ。そのパワーの存在を信じられるなら、幻想の罪は、一瞬にして消滅してしまうのである。その奇跡を、あなたの罪の意識は否定しているのである。罪の意識の存続のために、あなたを騙し続けているのだ。
If it can correct, and you allow it not to do so, you deny it to yourself and to your brother. - allow [əláu] : 「〜を許す、許可する、許容する、可能にする」
- deny [dinái] : 「〜に…を与えない、〜を否定する、否認する」
- deny A to B : 「AにBを与えない」
❖ "If it can correct ~ "「もし、心のパワーが罪を修正出来るにも関わらず、」"and you allow it ~ "「あなたが、心にそうさせることを許さなかったなら、」"you deny it to ~ "「あなたは自分に対して、そして、同胞に対して、心のパワーを与えないでいることになる」。下手な訳で申し訳ない。罪を修正出来る心のパワーがありながら、その修正を拒んだなら、それは心のパワーを拒絶したことにつながり、あなたは、あなた自身の心に、そして自他一如の同胞の心に、パワーを与えないことと等しい結果を生んでしまう。簡単に言うと、心のパワーは、実行してこそ価値が生まれるのであって、実行をためらっているうちは、それは、ないに等しいのだ。たとえば、愛のパワーにしても、誰かを愛して初めて価値が生まれるのであって、誰かを愛するのを拒んだときは、自分に愛のパワーがあるなどとは言えないのだ。
And if he shares this same belief you both will think that you are damned. - share [ʃέər] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
- same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
- both [bóuθ] : 「両方ともに、双方ともに」
- damned [dǽmd] : 「のろわれた、ひどい、とんでもない、忌まわしい」
❖ "And if he shares ~ "「もし同胞も、これと同じ信念を(あなたと)分かち合ったなら、」"you both will think ~ "「あなたも同胞も、自分たちは呪われていると思ってしまうだろう」。同じ信念を分かち合ったならとは、罪を修正出来る心のパワーを拒絶して、罪を抱えこんで生きたなら、ということ。そうすれば、あなたも同胞も、罪の烙印を押された、つまり、呪われた者として、墓場にまで罪を持ち込むことになろう。
This you could spare him and yourself. For reason would not make way for correction in you alone.- spare [spέər] : 「〜を勘弁する、容赦する、寛大に扱う、許す、容認する」
- make way for : 「〜に道を譲る」
- alone [əlóun] : 「独りで、単に」
❖ "This you could ~ "直訳すると、「あなたは、同胞にもあなた自身にも、これを与えないでおくことが出来る」。"could"を使っているので、仮定法だ。つまり、言外に、「もし、あなたにその気があったら、しかし、ないのが残念だが、」という思いが込められている。それを踏まえて解釈すると、あなたにその気があったら、罪の修正は出来るし、呪われた思いなど、あなた自身も同胞も持つことはないのに、といった意味合いになる。"For reason would ~ "「なぜなら、正気さは、あなた一人だけのために、修正のための道を開いているのではないからだ」。あなたも同胞も、神の子として一体である。自他一如である。あなたが正気さに導かれて、罪の修正を受け入れたなら、同胞もまた、罪の修正を受け入れて、呪われた生から解放されるのだ。正気さは、みんなに共通した真実なのだ。