●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-20.IV.5:1 ~ T-20.IV.6:10

5. The sinless give as they received. See, then, the power of sinlessness within your brother, and share with him the power of the release from sin you offered him.

  • sinless [sínlis] : 「罪のない、潔白な」
  • receive [risíːv] : 「〜を受ける、受け取る、受領する、入手する」
  • sinlessness [sínlisnis] : 「罪のないこと、潔白、無辜」
  • within [wiðín] : 「〜の中に、〜の内に」
  • share [∫éə(r)] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
  • release [rilíːs] : 「解放、解き放すこと、解除、免除」
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、過失、罪業」
  • offer [ɔ́(ː)fə(r)] : 「差し出す、捧げる、提供する」
❖ "The sinless give ~ "「罪なき者は、彼らが受け取ったように、与えるのである」。罪なき者、つまり、実相世界に目覚めた者は、実相世界の神の法に従う。神の法は、与えることと受け取ることは等しい。したがって、罪なき者は、受け取ることと与えることを区別しないのだ。"See, then, the power of ~ "「そこで、あなたの同胞の心の中に、罪なき者のもっているパワーを見なさい」。"and share with him ~ "「そして、あなたが彼に与えてしまった罪の意識から解放するパワーを、彼と分かち合いなさい」。あなたは自分の罪の意識を同胞に投射し、彼を罪ある者としてしまった。しかし、今、それが幻想であると見破り、罪を赦して受け流してしまう時である。その解放の力強いパワーを同胞と分かち合って、共に解放されなさい。解放のパワーは、神のパワーなのだから。



To each who walks this earth in seeming solitude is a savior given, whose special function here is to release him, and so to free himself.
  • each [íːt∫] : 「各々、それぞれ、めいめい」
  • walk [wɔ́ːk] : 「歩く、歩行する」
  • earth [ə́ː(r)θ] : 「地球、地上、全世界」
  • seeming [síːmiŋ] : 「外観上の、外見だけの、見せかけの、うわべの」
  • solitude [sɑ́lət(j)ùːd] : 「孤独、独りぼっち」
  • savior [séivjə(r)] : 「救助者、救い手、救済者、救い主」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
  • special [spé∫l] : 「特別な、独特の、特別の、特有の」
  • function [fʌ́ŋ(k)∫n] : 「職務、役割、機能、作用、働き、効用」
  • release [rilíːs] : 「解放する、自由にする、放つ、離す」
❖ "To each who walks this ~ "「表面上は、まったく孤独に、この地上を歩く一人一人であるが、その一人一人に救い主が与えられているのだ」。"whose special function ~ "「その救い主の特別な役割とは、他者を解放し、自分自身も自由になる、というものである」。あなたにも同胞にも、その心の最も純粋で神聖な部分に、ホーリー・スピリットとキリストは住んでいる。それが、あなたと同胞をこの幻想世界から救ってくれる救い主である。しかし、その実現は、あなた一人、同胞一人で達成出来るものではないのだ。あなたと同胞が互いに他者を救い出すという形が求められるのである。したがって、あなたにとって同胞が、同胞にとってあなたが、実相世界へ解放する救い主になるのである。つまり、あなたとパートナーが、二人の関係性を神聖な関係性に変えることによって、二人が同時に救われるのである。



In the world of separation each is appointed separately, though they are all the same.
  • separation [sèpəréi∫n] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
  • appoint [əpɔ́int] : 「〜を任命する、選任する、指名する」
  • separately [sép(ə)rətli] : 「離れて、独立して、別々に、分かれて、単独で」
  • though [ðóu] : 「〜だけれども、〜だけど」
  • all the same : 「全く同じで」
❖ "In the world of ~ "「分離の世界にあっては、各々の役割は個別的に与えられるが、」"though they ~ "「どの役割もすべて等しい」。あなたと同胞がこの世で果たす役割は、表面上は差異があるが、内容はすべて等しい。実相世界への目覚めであり、神の王国への回帰である。ところで、"the world of separation"「分離の世界」とは、この幻想世界のことである。神の住む世界、実相世界は純粋一元論の世界であり、対極概念を持たない。たとえば、愛は対極の憎悪をもたないのだ。対して、神の子が神から分離して作り上げたこの幻想の世界は、二元論の世界であり、純粋で単一の概念が二極に分裂するのである。愛はその対極に憎悪をもち、美は対極に醜をもつ。神の子も無数に分裂し、あなたと彼、あなたと彼女は異なった人間として存在している。しかし、実相世界では、あなたも他者も、単一の神の子であり、自他一如なのだ。



Yet those who know that they are all the same need not salvation.
  • need [níːd] : 「〜する必要がある、〜を必要とする」
  • salvation [sælvéi∫n] : 「救出、救済、救い、救世」
❖ "Yet those who know ~ "「与えられた使命はすべて同じであると知った者達は、もう救われる必要はない」。救われて真実を知ったのだから、もう救われる必要はない。ところで、ここの"they"を「与えられた個々の役割」と解釈したが、その役割を与えられた個人個人と考えてもいいだろう。すると、「すべて人は同一だと知った者は、救いの必要はない」ということになる。



And each one finds his savior when he is ready to look upon the face of Christ, and see him sinless.
  • find [fáind] : 「見つける、発見する、見いだす」
  • ready [rédi] : 「用意ができている、支度が整った、覚悟ができた」
  • be ready to : 「いつでも〜できる、すぐに〜できる」
  • look upon : 「〜を見る」
  • face [féis] : 「顔、顔色」
  • sinless [sínlis] : 「罪のない、潔白な」
❖ ここは、後ろから訳す、"when he is ready ~ "「キリストの顔を見、罪なき者と見える、そういう心の準備が整ったとき、」"And each one finds ~ "「人は各々、自分の救い主を発見するのだ」。あなたが同胞を見る時、彼の心の中に住むキリストの姿が見え、その罪なき純粋な姿が認識出来たとき、あなた自身の心の中にも、純粋で罪のないキリストの姿を発見することが出来るのである。



6. The plan is not of you, nor need you be concerned with anything except the part that has been given you to learn.
  • plan [plǽn] : 「計画、企画、予定、意向」
  • concerned [kənsə́ːrnd] : 「関係している、心配そうな」
  • be concerned with : 「〜に関係している、携わっている、〜に関心がある」
  • except [iksépt] : 「〜を除いて、〜以外に」
  • part [pɑ́ː(r)t] : 「分担、役、役目、役割」
  • learn [lə́ː(r)n] : 「〜を学ぶ、〜を知る、分かる」
❖ "The plan is ~ "「計画は、あなたのものではない」。救いの計画は、あなたが自分で作るものではない。"nor need you be ~ "「〜以外に、あなたは何も関わる必要はないのだ」。"except the part that ~ "「学ぶようにと、あなたに与えられた役割以外に、」あなたは何も関わる必要はないのだ。あなたは、ホーリー・スピリットの力を借りて、幻想世界から実相世界へと救われることを学ぶ必要はあるが、救いの計画やその他のことを行う必要性はない。あなたは幻想世界というレベルの低い段階にいるので、より高次元の計画は、高次元の存在であるホーリー・スピリットに委ねればいいのだ。



For he who knows the rest will see to it without your help. But think not that he does not need your part to help him with the rest.
  • rest [rést] : 「残り、残っているもの、残りの部分、残余」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たないで、〜なしに」
  • help [hélp] : 「助力、助け、援助、支援、力添え」
❖ "For he who knows ~ "「なぜなら、その他の残りを知っている者が、あなたの助けを借りずに、面倒を見るからだ」。あなたの役割以外のすべてを知っているホーリー・スピリットが、あなたの助けを借りずに、すべてを処理してくれる。"But think not that ~ "「しかし、その他の残りに関して、あなたの役割には、ホーリー・スピリットを助けるための必要性はまったくないと思ってはいけない」。あなたの役割以外に、直接ホーリー・スピリットを助ける必要はないのだが、あなたの関わり自体がまったく不必要だとい言うのではない。計画を行動するのはホーリー・スピリットだが、その陰で、もちろん、あなたはホーリー・スピリットをサポートしなくてはならないのだ。



For in your part lies all of it, without which is no part complete, nor is the whole completed without your part.
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
  • part [pɑ́ː(r)t] : 「一部、部分」
  • complete [kəmplíːt] : 「完全な、全部の、完結した、完成した」
  • whole [hóul] : 「全部の、完全な、全体の、丸ごとの」
❖ "For in your part ~ "「あなたの役割は、救いのすべてに関わっている」。"without which is no ~ "「あなたの役割なしには、救いのどんな一部も完成しないし、」"nor is the whole completed ~ "「あなたの役割なしには、救い全体が完成することはないのだ」。あなたが自分の救いに直接関わる部分は一部であるが、間接的には、救いのすべてに関わってくるのである。ACIMの絶対他力とは、ホーリー・スピリットにすべてを丸投げして、あとは知らん顔、というものではない。



The ark of peace is entered two by two, yet the beginning of another world goes with them.
  • ark [ɑ́ː(r)k] : 「契約の箱、箱舟」
  • peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平穏、安心、安定」
  • enter [éntə(r)] : 「〜に入る、〜に参加する、〜に立ち入る」
  • two by two : 「二つずつ、二人ずつ」
  • yet [jét] : 「さらに、その上」
  • beginning [bigíniŋ] : 「初め、開始、始まり、発端、起源」
  • another [ənʌ́ðə(r)] : 「もう一つの、別の、ほかの」
❖ "The ark of peace is ~ "「平和の箱船には、二人ずつが乗り込むのであり、」"yet the beginning of ~ "「さらに、その二人をもって、もう一つの世界が始まるのだ」。ノアの箱船にちなんで表現されているわけだが、この二人を男と女と見る必要はない。あなたと同胞と見た方がいいだろう。もっと深読みするなら、あなたがパートナーとの特別な関係性を神聖な関係性に変えたとき、あなたとパートナーは、実相世界という箱船に二人で乗り込むことが出来、天の王国という新世界での暮らしを始めることになるのだ。



Each holy relationship must enter here, to learn its special function in the Holy Spirit's plan, now that it shares his purpose.
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
  • learn [lə́ː(r)n] : 「〜を学ぶ、〜を知る、分かる」
  • special [spé∫l] : 「特別な、独特の、特別の、特有の」
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「職務、役割、機能、作用、働き、効用」
  • now that : 「今や〜だから、〜からには」
  • share [∫éə(r)] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
  • purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
❖ "Each holy relationship ~ "「それぞれの神聖な関係性は、この箱船に乗り込まなくてはならない」。神聖な関係性こそが、実相世界という箱船に乗り込む必要がある。"to learn its special function ~ "「ホーリーの計画における、その特別な役割を学ためであり、」"now that it shares ~ "「まさに今こそ、特別な関係性は、ホーリー・スピリットの目的を分かち合うときなのだ」。ホーリー・スピリットの計画とは、神から分離し、幻想世界に堕落した神の子を、実相世界に目覚めさせ、天の王国へ回帰させ、そこで神の子の再統一をはかる、というもの。神聖な関係性の特別な役割とは、あなたとパートナーの特別な関係性を神聖な関係性に変えた後、つまり、幻想世界から目覚めた後、共に、実相世界に入っていくこと。簡単に言えば、ホーリー・スピリットの計画を受け入れて、それを選択し、意思し、分かち合うことである。



And as this purpose is fulfilled, a new world rises in which sin can enter not, and where the Son of God can enter without fear and where he rests a while, to forget imprisonment and to remember freedom.
  • fulfill [fulfíl] : 「実行する、遂行する、成就する、果たす」
  • rise [ráiz] : 「上がる、起立する」
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、過失、罪業」
  • enter [éntə(r)] : 「〜に入る、〜に参加する、〜に立ち入る」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • rest [rést] : 「休む、休息する、休憩する、休養する」
  • a while : 「しばらく、しばらくの間」
  • forget [fə(r)gét] : 「〜を忘れる、見落とす」
  • imprisonment [impríznmənt] : 「投獄、禁固、監禁、収監」
  • remember [rimémbə(r)] : 「〜を思い出す、〜を覚えている」
  • freedom [fríːdəm] : 「自由、解放、自主、独立」
❖ "And as this purpose ~ "「このホーリー・スピリットの目的が達成されたとき、罪の意識など入り込めない新しい世界が立ち上がる」。あなたの目の前に実相世界が立ち上がる。"and where the Son of God ~ "「その世界へは、神の子が恐れを抱かずに入って行くことが出来、」"and where he rests ~ "「しばらくの間、休息をとりながら、」"to forget imprisonment ~ "「(幻想世界に)閉じこめられていたことを忘れ、(真実の)自由を思い出すのである」。



How can he enter, to rest and to remember, without you? Except you be there, he is not complete. And it is his completion that he remembers there.
  • except [iksépt] : 「ただし、除いて」
  • complete [kəmplíːt] : 「完全な、全部の、完結した、完成した」
  • completion [kəmplíː∫n] : 「完成、完了、終了」
❖ "How can he enter ~ "「あなたなくして、どうやって、神の子は新しい世界に入り、休息し、思い出すことが出来ようか」。あなたが主体的になって神の子全体を実相世界に引き上げて行かねばならない。あなたがたった一人で、という意味でなく、神の子が一人一人、主体的になって実相世界へ目覚めることが必要なのだ。"Except you be ~ "「あなたがその場に欠けていたら、」"he is not ~ "「神の子は完成されないのだ」。神の子が一人でも欠けていたら、神の子の再統一は完結しない。その場に、是が非でも、あなたが居なくてはならないのだ。"And it is his completion ~ "「そして、神の子がその場で思い出すことは、神の子の完璧性である」。神の子が、あなたを含めて、誰一人欠くことなく実相世界に回帰し、その場で再統一を果たせたとき、神の子は、完璧で完全な自分の姿を目撃することになる。そして、それが本来の神の子の姿、神が創造したままの自分の姿だと思い出すのである。
 
 
 

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