●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-20.VII.3:1 ~ T-20.VII.4:8

3. To obtain the goal the Holy Spirit indeed asks little. He asks no more to give the means as well. The means are second to the goal.

  • obtain [əbtéin] : 「手に入れる、得る、取得する、獲得する」
  • goal [góul] : 「目標、目的地、目的、目指すもの」
  • indeed [indíːd] : 「実に、本当に、確かに、いかにも」
  • ask [ǽsk] : 「求める、要求をする、必要とする」
  • no more : 「それ以上〜ない」
  • means [míːnz] : 「手段、方法、資力」
  • as well : 「おまけに、その上、なお、同じに、同様にうまく」
  • second [sék(ə)nd] : 「第2の、2番目の」
❖ "To obtain the goal ~ "「目的を達成するためにホーリー・スピリットが要求することは、本当に、ほとんどない」。あなたが実相世界に目覚め、天の王国へ回帰するという目的を達成するために、ホーリー・スピリットがあなたに要求することはほとんどない。"He asks no more to give ~ "「ホーリー・スピリットは、手段を与えるときも同様に、ほとんど、それ以外を要求しない」。"The means are ~ "「手段は、目的の次に来るのだ」。目的が第一で、手段は第二だ、という意味だが、目的と手段をワンセットで考えなくてはいけない、というニュアンスだろう。どちらも大切で、欠くことが出来ない。ただ、順番を付けるなら、まず第一に目的があって、それに似合った手段が第二に来る、ということである。



And when you hesitate, it is because the purpose frightens you, and not the means. Remember this, for otherwise you will make the error of believing the means are difficult.
  • hesitate [hézitèit] : 「ためらう、躊躇する、遠慮する、気後れする」
  • purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • frighten [fráitn] : 「〜を怖がらせる、脅す」
  • remember [rimémbə(r)] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
  • otherwise [ʌ́ðə(r)wàiz] : 「さもなければ、そうしないと」
  • error [érə(r)] : 「誤り、間違い、ミス、誤字、誤用、過失」
  • believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
  • difficult [dífikʌ̀lt] : 「難しい、困難な、難解な、厳しい」
❖ "And when you ~ "「そして、あなたがためらっているなら、」"it is because ~ "「それは、目的があなたを脅えさせているのであって、手段がそうしているのではない」。一般常識では、実行をためらうのは、目的ではなく手段が恐ろしいからだとなるが、ACIMはその逆だと言っている。"Remember this,"「このことを覚えておきなさい」。"for otherwise you ~ "「なぜなら、そうでないと、手段は難しいものだと信じる誤りを犯してしまうだろうからだ」。神聖な目的を達成するには、さぞかし難しいことをしなくてはならないと誤解してしまいかねない。難しいだろうと信じてしまうので、実行をためらうのだ。



Yet how can they be difficult if they are merely given you? They guarantee the goal, and they are perfectly in line with it.
  • merely [míə(r)li] : 「ただ単に、単に」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
  • guarantee [gæ̀r(ə)ntíː] : 「保証する、請け合う、約束する」
  • perfectly [pə́ː(r)fik(t)] : 「完全に、完璧に」
  • in line with : 「〜と一致して、〜と調和して」
❖ "Yet how can they be ~ "「しかし、もし、手段が単にあなたに与えられるのだとしたら、どうして手段が難しかろう」。目的同様、手段もホーリー・スピリットがあなたに与えてくれる。"Yet how can they be ~ "「(その与えられた)手段は、目的の達成を保証してくれるし、」"and they are perfectly ~ "「その手段は、完全に、目的と調和しているのだ」。ホーリー・スピリットが与えてくれる目的と手段はワンセットであり、完全に調和し、一貫性がある。



Before we look at them a little closer, remember that if you think they are impossible, your wanting of the purpose has been shaken.
  • before [bifɔ́ː(r] : 「〜の前に、〜に先立って、〜を前にして」
  • close [klóus] : 「近い、接近した、近接した、緊密な」
  • remember [rimémbə(r)] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
  • impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない」
  • shaken [∫éikn] : 「shake の過去分詞」
  • shake [∫éik] : 「〜を動揺させる、ぐらつかせる」
❖ "Before we look at ~ "「私たちが、手段について、もう少し近づいて見る前に、that以下を覚えておきなさい」。"that if you think ~ "「もしあなたが、その手段は不可能だと思ったなら、」"your wanting of ~ "「あなたが目的を欲する気持ちが揺らいでいるからだ」。そのことを覚えておきなさい。目的が信じられないのではなく、目的を求める自分の気持ちに自信が持てないのだ。



For if a goal is possible to reach, the means to do so must be possible as well.
  • possible [pɑ́səbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る、なし得る」
  • reach [ríːt∫] : 「〜に達する、〜に至る」
  • as well : 「おまけに、その上、なお、同じに、同様にうまく」
❖ "For if a goal is ~ "「なぜなら、もし、目的が達成可能であるなら、」"the means to do ~ "「目的達成のための手段も、同様に、可能なのだから」。だから、目的が可能で手段が不可能に思えたなら、それは、あなたの気持ちの自信のなさの表れである。



4. It is impossible to see your brother as sinless and yet to look upon him as a body.
  • sinless [sínlis] : 「罪のない、潔白な」
  • look upon : 「〜を見る、〜をよく見る」
❖ "It is impossible ~ "ここは、"It ~ to ~ "の構文、「あなたの同胞を罪なき者と見て、なお、その同胞を肉体としてとらえることは、不可能である」。同胞を、罪がないと実相的に見て取って(真実)、同時に、肉体であると幻想的に見る(虚偽)のは矛盾であり、不可能だ。



Is this not perfectly consistent with the goal of holiness?
  • perfectly [pə́ː(r)fik(t)li] : 「完全に、完璧に」
  • consistent [kənsíst(ə)nt] : 「一致した、一貫性のある、矛盾のない」
  • be consistent with : 「〜と一致する、〜と調和する」
  • holiness [hóulinəs] : 「神聖、高潔」
❖ "Is this not perfectly ~ "「これは、神聖な目的と完全に調和しているとは言えないのではないか」。実相的な、神聖な目的と調和するには、同胞の存在を心として見て、罪なき者、と見なくてはならない。同胞の肉体的存在は、あくまでも、幻想に過ぎない。幻想に惑わされているようでは、神聖な目的を達成することはおぼつかない。



For holiness is merely the result of letting the effects of sin be lifted, so what was always true is recognized.
  • merely [míə(r)li] : 「ただ単に、単に」
  • result [rizʌ́lt] : 「結果、結末、成り行き、効果、成果、成績」
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、作用、効果、効力」
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、ばかげたこと、過失、罪業」
  • lift [líft] : 「解除する、取り除く、撤廃する」
❖ "For holiness is merely ~ "「なぜなら、神聖さは単に、罪の意識の影響を取り除いた結果として現れるからだ」。罪の意識を取り除きさえすれば、そこに、神聖さが出現する。わざわざ、どこからか神聖さを探し出して持って来なくていいのだ。"so what was always ~ "「だから、常に真実であるものが、認識されるのである」。罪という黒雲を払拭すれば、そこに、常に、真実が顔を出し、認識出来る。



To see a sinless body is impossible, for holiness is positive and the body is merely neutral.
  • sinless [sínlis] : 「罪のない、潔白な」
  • impossible [impɑ́səbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない」
  • holiness [hóulinəs] : 「神聖、高潔」
  • positive [pɑ́zətiv] : 「肯定的な、肯定の、積極的な、前向きの、確信している」
  • merely [míə(r)li] : 「ただ単に、単に」
  • neutral [n(j)úːtr(ə)l] : 「中立の、無色の、中間色の」
❖ "To see a sinless body ~ "「罪のない肉体を見ることは不可能である」。罪がないということは、実相的な真実であり実在である。肉体は幻想であり、非実在である。その二つを組み合わせて『罪のない肉体』と表現することは矛盾なのだ。しかし、『肉体に罪がある』と言うのも、また矛盾であり、不可能だということは念頭に置くべきである。"for holiness is ~ "「なぜなら、神聖さはポジティブなものであり、肉体は単にニュートラルなものだからである」。"positive"という言葉と"neutral"という言葉の意味が明確ではないのだが、方や実相的実在、方や幻想的非実在といったニュアンスであろうか。ならば、"neutral"という言葉の代わりに"negative"という言葉を使った方が適切なように思えるのだが・・・。おそらく、肉体は、"negative"と言えるほどの力をもっていず、まったく非力な"neutral"という状態に近いことを表現したかったのだろう。確かに、幻想であるエゴには"negative"という言葉がぴったりであるし、実相のホーリー・スピリットには"positive"という言葉が適切だ。ちょうどその中間に位置する肉体は、やはり、"neutral"なのだろう。つまり、エゴもホーリー・スピリットも、その目的に合わせて、肉体をどのようにでも利用出来るのである。



It is not sinful, but neither is it sinless. As nothing, which it is, the body cannot meaningfully be invested with attributes of Christ or of the ego.
  • sinful [sínfl] : 「罪深い、邪悪な」
  • neither [níːðə(r)] : 「〜もまた…ない」
  • sinless [sínlis] : 「罪のない、潔白な」
  • meaningfully [míːniŋfəli] : 「意味があるように」
  • invest [invést] : 「〜を投資する、出資する」
  • attribute [ǽtribjùːt] : 「属性、特質、特性、性格」
❖ "It is not sinful ~ "「肉体は罪深いと言うのでもなければ、かといって罪がないわけでもない」。肉体がエゴの色に染まれば罪深くなり、ホーリー・スピリットの色に染まれば、肉体の罪は消滅する。"As nothing, which ~ "「肉体は無であるから、そして、確かに無であるので、」"the body cannot ~ "「肉体は、キリストの属性やエゴの属性によって、有意義に投資されることは不可能だ」。解釈の難しい箇所であるが、肉体にキリストの属性を持たせることも、エゴの属性を持たせることも不可能だ、という意味合いであろう。実体のない、無であるからだ。ただ、色に染まるだけであって、その中身は空っぽであるものが肉体である。むしろ、肉体は中身が空っぽであるからこそ、エゴの色にもホーリー・スピリットの色にも染まることが出来る、と言った方がいいかもしれない。



Either must be an error, for both would place the attributes where they cannot be. And both must be undone for purposes of truth.
  • either [íːðə(r)] : 「どちらの〜でも、どちらの〜も」
  • error [érə(r)] : 「誤り、間違い、ミス、誤字、誤用、過失」
  • both [bóuθ] : 「両方、双方」
  • place [pléis] : 「〜を置く、設置する、取り付ける」
  • undone [ʌndʌ́n] : 「undo の過去分詞形」
  • undo [ʌndú] : 「〜を元に戻す、元どおりにする、取り消す」
  • purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
❖ "Either must be ~ "「どちらも誤りであるに違いない」。肉体がエゴの属性をもっていると言うことも、ホーリー・スピリットの属性をもっていると言うことも、どちらも正しいことではない。肉体は無であるから、属性を持てないのだ。ただ、色に染まるだけである。"for both would place ~ "「なぜなら、どちらも、本来あるべきではない場所に属性を置こうとしているからだ」。属性は、無である肉体に置くことは不可能なので、エゴの属性を肉体に植え付けることも、ホーリー・スピリットの属性を肉体に植え付けることも出来ないのだ。植え付けるためには土が必要だが、肉体にはその土がない。何もないからだ。"And both must ~ "「そして、真実の目的のためには、どちらも取り消してやらねばならない」。真実の目的のためには、肉体に何かの属性を投資するということは取り消しにしなくてはならない。無であるものに実体(植え付けのための土)をもたせることは真実ではないからだ。真実ではないものを基盤として、真実を組み立てることは不可能である。
 
 
 

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