●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-20.VI.1:1 ~ T-20.VI.2:7

 

VI. The Temple of the Holy Spirit
ホーリー・スピリットの寺院
 
 
 
1. The meaning of the Son of God lies solely in his relationship with his Creator.
  • meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、目的、意図」
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
  • solely [sóulli] : 「もっぱら、ただ一人で、一人だけ、単に」
  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
  • creator [kriéitər] : 「創造者、創作者、創設者」
❖ "The meaning of ~ "「神の子の意味は、ただ、神の子の創造主との関係性の中にのみ存在する」。神の子の出自、存在意義、その使命、等々は、神との神聖な関係性において明白になる。言い換えれば、神との神聖な関係性を構築しない限り、神の子は自分自身を知ることは出来ないのだ。



If it were elsewhere it would rest on contingency, but there is nothing else. And this is wholly loving and forever.
  • elsewhere [éls(h)wèə(r)] : 「ほかの場所に、ほかのどこかで、ほかの所へ」
  • rest [rést] : 「ある、存在する、置かれている」
  • contingency [kəntín(d)ʒ(ə)nsi] : 「偶然性、続発事件、偶発性」
  • wholly [hóu(l)li] : 「完全に、全く、全体として、全体的に」
  • loving [lʌ́viŋ] : 「誠実な、愛情のある、愛情に満ちた」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
❖ "If it were elsewhere ~ "「もし、神の子の意味が、神との関係性以外の場所にあるならば、それは、偶然性の上に乗っていることになる」。"rest on contingency"「偶然性の上に乗っている」という意味がはっきりしないのだが、「必然的な意味がない」というニュアンスであろう。神の子の意味は絶対こうだ、というのではなく、たまたまそうであるに過ぎない、といったニュアンス。"but there is ~ "「しかし、その他の場所などないのである」。神の子の意味が明白にされるのは神との関係性においてであり、その他の場所はない。"And this is wholly ~ "「そして、このことは、完全に愛らしいことであり、永遠に続くことなのだ」。神との関係性において神の子の意味が見いだされるという事実は、歓迎し愛すべきことであり、その関係性は永遠に続くものである。



Yet has the Son of God invented an unholy relationship between him and his Father.
  • invent [invént] : 「〜を発明する、考案する、創作する」
  • unholy : 「不信心な、不敬な、不道徳な」
  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
  • between [bitwíːn] A and B : 「AとBの間に」
❖ "Yet has the Son of God ~ "「しかし、神の子は、神の子と神の間に、神聖ならざる関係性を作り上げてしまったのだ」。神の子が神から分離したとき、神の子は神とのチャンネルを一方的に遮断してしまった。神の子は神を裏切ったと思い込み、神が報復するだろう恐れるようになった。怒れる神、復讐する神、嫉妬する神、破壊する神、等々の神の姿を勝手に妄想するようになったのである。このような神との関係性は神聖だと言えるだろうか? 



His real relationship is one of perfect union and unbroken continuity.
  • real [ríː(ə)l] : 「実在的な、実質的な、現実の、本物の」
  • perfect [pə́ː(r)fikt] : 「完全な、完璧な」
  • union [júːnjən] : 「結合、合併、融合、団結」
  • unbroken : 「壊れていない、完全な、連続した」
  • continuity [kɑ̀nt(ə)n(j)úːəti] : 「連続性、継続性、ひと続き」
❖ "His real relationship is ~ "「神との真の関係性は、一つの完璧な結合であり、途切れることのない連続性のあるものなのだ」。神と神の子の関係性は、実相世界における親と子の関係であり、分離することの出来ない完全な結合である。しかも、それは、永遠に継続するのであって、変化流動することはない。



The one he made is partial, self-centered, broken into fragments and full of fear.
  • partial [pɑ́ː(r)∫l] : 「部分的な、一部の、一部分の」
  • self-centered : 「自己中心的な、自己本位の、利己主義者の」
  • broken [bróukn] : 「breakの過去分詞形」
  • break [bréik] : 「壊す、割る、折る、破る」
  • fragment [frǽgmənt] : 「破片、断片、かけら、小部分」
  • full [fúl] : 「いっぱいの、いっぱいになる、充満する、満ちた」
  • full of : 「〜でいっぱいである、〜に満ちている」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
❖ "The one he made is ~ "「神の子の作る関係性は、部分的であり、」つまり、全面的な結合ではなく、"self-centered"「自己中心的であり、」"broken into fragments ~ "「断片化されており、恐れに満ちている」。あなたがこの幻想世界で構築する、パートナーとの特別な関係性を観察すれば、この意味合いがわかるだろう。



The one created by his Father is wholly Self-encompassing and Self-extending.
  • create [kriéit] : 「創造する、創り出す」
  • wholly [hóu(l)li] : 「完全に、全く、全体として、全体的に」
  • encompassing : 「網羅的な、総覧の、包括的な、周囲を取り囲む、包み込むような」
  • extending : 「拡張」
  • extend [iksténd] : 「広げる、伸ばす、拡張する、拡大する」
❖ "The one created by ~ "「神の子の父なる神が創造する関係性は、完全に自己包括的であり、自己拡張的である」。"Self-encompassing"「自己包括的」とは、難しい言い回しなのだが、自己充足的、自己完結的、といった意味合いであろう。簡単に言えば、愛に満たされ、喜びが充満し、限りなく平和で、どこまでも心穏やかだ、ということだ。すべてを、まさに包み込んでいるのだ。"Self-extending"「自己拡張的」とは、これまた、難しい言い回しなのだが、実相世界が分かち合いによって拡張増大する世界であることを考えると、自己拡張的とは、愛、喜び、平和、心の穏やかさ、等々を分かち合い拡張増大していく存在形態という意味合いだろう。ところで、自己包括、自己拡張のどちらも、神の属性である。しかも、神の子は神の属性のすべてを継承しているのだ。



The one he made is wholly self-destructive and self-limiting.
  • destructive [distrʌ́ktiv] : 「破壊的な、破壊主義的な」
  • self-destructive : 「自殺的な、自爆用の、自滅型の、自滅的な」
  • self-limiting : 「自ら制限する、自己制御式の」
❖ "The one he made is ~ "「神の子の作る関係性は、完全に自己破壊的であり、自己制限的である」。"self-destructive"「自己破壊的」とは、この幻想世界にあって、憎悪、嫉妬、攻撃、腐敗、等々によって、自分自身を破壊していく存在形態のこと。"self-limiting"「自己制限的」とは、心を肉体に閉じこめ、支配し支配され、隷属し隷属されるといった存在形態のこと。



2. Nothing can show the contrast better than the experience of both a holy and an unholy relationship.
  • show [∫óu] : 「明らかにする、示す、表す、表示する」
  • contrast [kɑ́ntræst] : 「コントラスト、対照、対比、正反対のもの」
  • better than : 「〜より上手で、〜より多く」
  • experience [ikspí(ə)riəns] : 「経験、体験、見聞」
❖ "Nothing can show ~ "「神聖な関係性と神聖ならざる関係性の両方を経験すること以上に、何ものも、それ以上のコントラストを示すことは出来ない」。実相世界におけるホーリー・スピリットとの関係性、そして、幻想世界におけるパートナーとの特別な関係性、その二つを体験し、見比べてみれば、二つの違いがはっきりする。これほど極端なコントラストをなすものはない。



The first is based on love, and rests on it serene and undisturbed. The body does not intrude upon it.
  • first [fə́ː(r)st] : 「第一の、一番目の」
  • base [béis] : 「〜の基礎を形成する、〜の基礎を…に置く」
  • be based on : 「〜に基づいている」
  • rest [rést] : 「ある、置かれている」
  • serene [səríːn] : 「静かな、穏やかな、心が落ち着いた」
  • undisturbed : 「邪魔されない、乱されない、平穏な、平静な」
❖ "The first is based ~ "「第一の、神聖な関係性は愛に基づき、」"and rests on it ~ "「心静かに、心乱されることなく、愛の上に存在する」。ここで言う「愛」は、実相世界の愛であり、憎悪という対極概念を持たない純粋な愛のことである。



Any relationship in which the body enters is based not on love, but on idolatry.
  • enter [éntə(r)] : 「〜に入る、〜に参加する、〜に立ち入る」
  • idolatry [aidɑ́lətri] : 「偶像崇拝」
❖ "Any relationship in ~ "「肉体が入り込むいかなる関係性も、」"is based not ~ "「愛を基盤としておらず、偶像崇拝に基づいているのだ」。肉体が介入するとは、幻想が介入するということ。幻想に過ぎない肉体を礼賛することは、偶像崇拝の一つである。もちろん、エゴを信じ込むことも、偶像崇拝である。地位、金、権力、等々の幻想を追い求めることも偶像崇拝である。



Love wishes to be known, completely understood and shared. It has no secrets; nothing that it would keep apart and hide.
  • wish [wí∫] : 「望む」
  • known [nóun] : 「know の過去分詞形」
  • completely [kəmplíːtli] : 「完全に、十分に、全面的に、全く、徹底的に」
  • share [∫éə(r)] : 「〜を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
  • secret [síːkrət] : 「秘密、機密、内緒事」
  • keep [kíːp] [SVOC] : 「〜の状態にしておく」
  • apart [əpɑ́ː(r)t] : 「離れて、離ればなれで、バラバラに、別々に」
  • hide [háid] : 「隠す、隠蔽する、秘密にする」
❖ "Love wishes to ~ "「愛は、知ってほしいと思うこと」。"completely understood ~ "「完全に理解され、分かち合いたいと思うこと」。"It has no secrets"「愛には秘密がない」。"nothing that it would ~ "「愛は、何かを隔離して隠しておきたいとは思わない」。愛は、完全に自由で、制限がないのだ。互いに知り合い、理解し合い、分かち合う関係性の中で、愛は育つ。つまり、愛は、拡張増大するのだ。そこに、隠し立てや、秘密はない。



It walks in sunlight, open-eyed and calm, in smiling welcome and in sincerity so simple and so obvious it cannot be misunderstood.
  • walk [wɔ́ːk] : 「歩く、歩行する」
  • sunlight [sʌ́nlàit] : 「太陽の光、日の当たる所、太陽の明かり、太陽光」
  • open-eyed : 「目を見開いた、油断のない」
  • calm [kɑ́ːm] : 「穏やかな、静かな、無風の、冷静な、落ち着いた、穏和な」
  • smiling [smáiliŋ] : 「笑みを浮かべている、ほほ笑んでいる」
  • welcome [wélkəm] : 「歓迎、歓待」
  • sincerity [sinsérəti] : 「誠実、真実、誠意、正直、偽りのないこと、率直さ」
  • simple [símpl] : 「簡単な、簡素な、単純な、容易な、質素な、素朴な、無邪気な」
  • obvious [ɑ́bviəs] : 「明らかな、明白な、分かりきった」
  • misunderstand [mìsʌ̀ndə(r)stǽnd] : 「誤解する、取り違える」
  • misunderstood : 「誤解された、正しく理解してもらえない」
❖ "It walks in sunlight"「愛は、日の光の中を歩む」。"open-eyed ~ "「目を開け、穏やかだ」。"in smiling welcome ~ "「愛は、微笑みをもって向かい入れ、誠実である」。"so simple and so obvious ~ "「愛は、あまりにも簡潔であり明瞭なので、誤って理解されることはない」。ここは理屈を追う箇所ではない。声に出して読んで見よう。ヘレンが聞いたイエスの声を想像しながら、朗読するのもいいかもしれない。
 
 
 

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