●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



T-20.VI.5:1 ~ T-20.VI.6:8

5. The Holy Spirit's temple is not a body, but a relationship.

  • temple [témpl] : 「神殿、寺院、教会、殿堂」
  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
❖ "The Holy Spirit's temple ~ "「ホーリー・スピリットの寺院は肉体ではなく、関係性である」。ホーリー・スピリットの寺院は、幻想の肉体ではなく、実相世界の神聖な関係性である。



The body is an isolated speck of darkness; a hidden secret room, a tiny spot of senseless mystery, a meaningless enclosure carefully protected, yet hiding nothing.
  • isolated [áisəlèitid] : 「孤立した、隔離された、隔絶された、分離した、単一の」
  • speck [spék] : 「小片、小粒、ちり、微塵、少量、しみ、小さい点」
  • darkness [dɑ́ː(r)knəs] : 「暗さ、暗がり、暗闇」
  • hidden [hídn] : 「隠された、秘密の」
  • secret [síːkrət] : 「秘密、機密、内緒事」
  • tiny [táini] : 「とても小さい、ちっぽけな、極めて小さな」
  • spot [spɑ́t] : 「染み、汚点、点、場所、地点」
  • senseless [sénslis] : 「無分別な、非常識な、常識がない、愚かな、無意味な」
  • mystery [míst(ə)ri] : 「不可解なこと、未解明なこと、謎の事柄」
  • meaningless [míːniŋlis] : 「意味のない、無益な、価値のない、無意味な」
  • enclosure [enklóuʒə(r)] : 「囲い、囲い地、包囲、囲い込み」
  • carefully [kéə(r)f(ə)li] : 「注意深く、丁寧に、慎重に、入念に」
  • protected [prətéktid] : 「保護された、保護を受けた、被保護の」
  • hide [háid] : 「隠す、隠蔽する、秘密にする」
❖ "The body is an isolated ~ "「肉体は、孤立した闇の塵(ちり)」。"a hidden secret room ~ "「隠された秘密の部屋であり、無意味で不可解な謎のちっぽけな染み」。"a meaningless enclosure ~ "「慎重に守られた意味のない囲い」。「しかし、何も隠されてはいないのだ」。



Here the unholy relationship escapes reality, and seeks for crumbs to keep itself alive.
  • unholy : 「不信心な、不敬な、不道徳な」
  • escape [iskéip] : 「〜を免れる、はぐらかす、〜を避ける、〜から逃げる」
  • reality [ri(ː)ǽləti] : 「現実、真実、事実、実態、実相」
  • seek [síːk] for : 「〜を探し求める」
  • crumb [krʌ́m] : 「少量、小片、小銭、断片、わずか、かけら、くず、パンくず」
  • keep [kíːp] [SVOC] : 「〜の状態にしておく」
  • alive [əláiv] : 「生存して、生きていて」
❖ "Here the unholy ~ "「この肉体において、神聖ならざる関係性は実相を逃れ、肉体を生かし続けるためのパンくずを探し求めるのである」。幻想世界におけるあなたとパートナーとの特別な関係性は、肉体を介した関係性であり、実相世界の真実から目をそらしてばかりいる(escapes reality)。その幻想の肉体を生かし続けるために、人は食べ物を求めて必死にならざるを得ない。



Here it would drag its brothers, holding them here in its idolatry.
  • drag [drǽg] : 「引っ張る、引き込む、引きずる、〜をがっかりさせる、憂うつにさせる」
  • hold [hóuld] : 「維持する、保持する、持続する、抑える、制する、拘束する」
  • idolatry [aidɑ́lətri] : 「偶像崇拝」
❖ "Here it would drag ~ "「ここで、神聖ならざる関係性は同胞を肉体に引きずり込み、肉体を偶像崇拝することで同胞を引き止めておこうとするのである」。幻想に過ぎない肉体であるが、その肉体の結合こそが本当の結合だと信仰して、肉欲を礼賛する。肉体の偶像崇拝である。



Here it is "safe," for here love cannot enter. The Holy Spirit does not build his temples where love can never be.
  • safe [séif] : 「安全な、無事な、安泰で」
  • enter [éntə(r)] : 「〜に入る、〜に参加する、〜に立ち入る」
  • build [bíld] : 「建てる、建造する、構築する、架設する」
  • temple [témpl] : 「神殿、寺院、教会、殿堂」
❖ "Here it is "safe," for ~ "「愛が入り込めないので、こここそが、肉体にとって『安全』なのだ」。実相的真実の愛が入り込めない肉欲の関係性は安全である。なぜなら、真実の愛に目覚めてしまったら、幻想の関係性は崩壊してしまうからだ。"The Holy Spirit does ~ "「ホーリー・スピリットは、愛が存在出来ないような寺院を建てたりしない」。幻想の寺院を建立することはない。



Would he who sees the face of Christ choose as his home the only place in all the universe where it can not be seen?
  • face [féis] : 「顔、顔面」
  • choose [t∫úːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
  • place [pléis] : 「場所、個所、住所、席」
  • universe [júːnəvə̀ː(r)s] : 「宇宙、銀河、宇宙、万物、森羅万象」
  • seen [síːn] : 「see の過去分詞形」
❖ "Would he who sees ~ "「キリストの顔を見た者が、すべての宇宙で唯一、キリストの顔を見ることの出来ない場所を、わざわざ自分の住家として選択したいと思うだろうか」。キリストの顔を見れない場所とは、肉体のこと。キリストの顔を見れる所は、もちろん、心の中の最も純粋で神聖な部分である。そこに、神の祭壇があり、実相世界の接点になっている。



6. You cannot make the body the Holy Spirit's temple, and it will never be the seat of love.
  • make : 「〜を〜の状態にする、〜に〜させる」
  • seat [síːt] : 「座席、座、台座、位置、場所、所在地」
❖ "You cannot make ~ "「あなたは、肉体をホーリー・スピリットの寺院にすることは出来ない」。"and it will ~ "「そして、肉体は、決して、愛の台座にはなり得ないのである」。幻想は決して、実相的実在の寺院や台座になり得ない。



It is the home of the idolater, and of love's condemnation. For here is love made fearful and hope abandoned.
  • idolater [aidɑ́lətə(r)] : 「偶像崇拝者、心酔者」
  • condemnation [kɑ̀ndemnéi∫n] : 「激しい非難、糾弾」
  • fearful [fíərfəl] : 「恐ろしい、怖い」
  • hope [hóup] : 「希望」
  • abandon [əbǽndən] : 「捨てる、遺棄する、見捨てる、捨て去る」
❖ "It is the home ~ "「肉体は、偶像崇拝者の住家であり、」"and of love's ~ "「愛を糾弾する者の住家である」。この世界の物質の存在しか信じられない者達の住家が肉体。"love's condemnation"「愛を糾弾すること」とは、たとえば、男と女の間の愛は単なる幻想に過ぎず、あるのは肉欲だけだと主張するようなこと。愛を介しての関係はロマンチストの見る、価値のない夢であると主張するようなこと。神との愛の関係性は、妄想に過ぎないと主張するようなこと。



Even the idols that are worshipped here are shrouded in mystery, and kept apart from those who worship them.
  • idol [áidl] : 「偶像、崇拝される人、神像、誤った概念」
  • worship [wə́ː(r)∫əp] : 「崇拝する、礼拝する、賛美する、敬愛する」
  • shroud [∫ráud] : 「覆う、包む」
  • mystery [míst(ə)ri] : 「不可解なこと、未解明なこと、謎の事柄」
  • kept [képt] : 「keep の過去・過去分詞形」
  • apart from : 「〜から離れて、〜は別として」
❖ "Even the idols that ~ "「肉体において、崇拝されている偶像でさえ、不可解な謎に包まれ、偶像を崇拝する者達から隔離されている」。偶像と偶像崇拝者の間に密接な関係性が生じないように、距離がおかれ、さらに、偶像が隔離されて目に触れないようにされているのだ。偶像は無であるという事実を隠し通すためだ。偶像は得体の知れない不可解なものとなり、ますます、偶像崇拝者の心をくすぐることになる。



This is the temple dedicated to no relationships and no return.
  • dedicate [dédikèit] : 「〜をささげる、献身する、〜を奉る、奉納する」
  • return [ritə́ː(r)n] : 「返還、返却、収益、報酬、利益」
❖ "This is the temple ~ "「この肉体は、何かの関係性を奉(まつ)るための寺院でもなければ、御利益がありますようにと建てられた寺院でもない」。肉体は、実相的関係性に寄与する寺院ではない。実相的御利益のある寺院でもない。実相世界から見れば、肉体は無なのだ。神聖な関係性を深めるものでもなければ、真の喜びや平和をもたらすものでもない。



Here is the "mystery" of separation perceived in awe and held in reverence.
  • mystery [míst(ə)ri] : 「不可解なこと、未解明なこと、謎の事柄」
  • separation [sèpəréi∫n] : 「分離、区別、別居、別離、離脱」
  • perceive [pə(r)síːv] : 「知覚する、〜を理解する、〜を把握する」
  • awe [ɔ́ː] : 「畏敬の念、畏怖」
  • held [héld] : 「hold の過去形」
  • reverence [rév(ə)r(ə)ns] : 「敬意、畏敬の念、尊敬、崇敬、崇拝」
❖ "Here is the "mystery" of ~ "「この肉体において、分離という『不可解な謎』は、畏敬の念をこめて知覚され、崇敬の念をもって維持されている」。肉体が分離の象徴になっているのだ。心が肉体の中に閉じこめられ、自分と他者が完全に別々の孤立した存在であるかのように振る舞われている。本当は、実相的には自他一如であって、自分と他者の間に区別はない。そういった実相的ヴィジョンから見れば、肉体による分離的存在は『不可解な謎』なのだ。しかも、人々は、自分が他者から分離していることを心から尊重し、必死に分離を守ろうとしている。彼らにとって一番大切なのはプライバシーなのだ。これもまた、不可解な謎なのだ。



What God would have not be is here kept "safe" from him.
  • kept [képt] : 「keep の過去・過去分詞形」
  • safe [séif] : 「安全な、無事な、安泰で、別状がない、無難な」
❖ "What God would have ~ "「肉体において、神がそうありたいと望まないことが、神からの『安全』を確保しているとされる」。神が望むこととは、神の子が再統一を果たし、天の王国で神と一体になること。つまり、分離の完全な解消である。しかし、肉体を分離の象徴として維持している限り、神の望みは叶えられないから、安全なのだ。



But what you do not realize is what you fear within your brother, and would not see in him, is what makes God seem fearful to you, and kept unknown.
  • realize [ríːəlàiz] : 「〜に気が付く、悟る、自覚する、実感する」
  • fear [fíər] : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
  • within [wiðín] : 「〜の中に、〜の内に」
  • fearful [fíərfəl] : 「恐ろしい、怖い」
  • unknown [ʌnnóun] : 「知られていない、未知の、不明の」
❖ "But what you do ~ "「しかし、あなたが気付いていないことは、」"what you fear ~ "「あなたが、同胞の心の中に恐れを感じ、同胞の心の中を見たいと思わないことである」。"is what makes God ~ "「それが、あなたにとって、神が恐ろしいように見せているのものなのだ」。あなたは同胞の肉体を見て安心している。同胞と自分が分離し、個別の存在であることを確保しているからだ。しかし、もしあなたが、同胞の心の中を覗いたとき、そこにキリストの顔を目撃したらどうなるか? その顔は、自分の心の中のキリストの顔を同じであり、同胞と自分が、心のレベルで同一な存在であることの証拠でると認めざるを得ない。安全であった分離は崩壊するのだ。あなたはそれを恐れている。つまり、あなたは、自分は神の子であることを恐れているのだ。そして、その延長線上に、神それ自体に恐怖を感じている。神の愛を受け入れてしまったなら、今までの幻想世界の生活のすべてが崩壊するからだ。
 
 
 

Notification

自分の写真


❖ Text精読、完了しました。4年8ヶ月、1256回の投稿でした。長期に渡ってお付き合いいただき、感謝します。
❖ 引き続き、Workbook精読をご覧下さい。場所は「http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp」です。
❖ Text精読の手直しも始めました。月日をかけて見直していきます。
❖ AmazonからKindle版の精読シリーズを出版開始しました。『どこでもAcim』をご希望の方は是非どうぞ。
❖ Google PlayとiBookstoreからepub版の精読シリーズを出版開始しました。Kindle版で窮屈さをお感じでしたら、こちらをどうぞ。
❖ Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。Urtextは非常に面白いです。臨場感は半端でありません。

oohata_mnb@yahoo.co.jp
oohata.m@coda.ocn.ne.jp

アクセスカウンター