●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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T-20.V.1:1 ~ T-20.V.2:7

 

V. Heralds of Eternity
永遠性の前触れ
 
 
 
1. In this world, God's Son comes closest to himself in a holy relationship.
  • close [klóus] : 「近い、接近した、近接した、緊密な」
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
❖ "In this world ~ "「この世界では、神の子が神聖な関係性にあるとき、自分自身と最も近づくことになる」。実相世界にあっては、自分は自分自身と完全に重なり合って距離はないのだが、幻想世界にあっては、夢の中にいるようなものなので、自分と本当の自分の間には距離がある。なぜなら、そもそも、この世界を心の外側に投射するにあたって、神の子は自分自身を乖離したのであるからだ。つまり、本当の自分と乖離した別人格を新たに作ったのだ。しかし、そんな幻想世界にあっても、あなたと同胞が、あるいはあなたとホーリー・スピリットが、神聖な関係性を結ぶことが出来れば、その神聖な関係性の中にいる自分こそ、本当の自分に最も近い自分である。ところで、神聖な関係性とは、実相世界に目覚めて、真実の目でものを見ることが出来るようになった二人の関係性のこと。真実の目で、真実の自分とパートナーの姿を見ることが出来るのである。



There he begins to find the certainty his Father has in him.
  • begin [bigín] : 「~を始める、~に取り掛かる、〜に着手する」
  • begin to do : 「〜し始める」
  • find [fáind] : 「見つける、発見する、見いだす」
  • certainty [sə́ːrtnti] : 「確信、確実なこと、必然、確実性、必然性」
❖ "There he begins to find ~ "「神聖な関係性の中で、神の子は、神が自らの中にもっている確実性を見い出し始めるのだ」。実相世界は偶然に支配されない。すべては確定的で、確実である。神聖な関係性の中にいる神の子は、次第に偶然性から解放されて、確実さ、確定性を身に付けていくのだ。



And there he finds his function of restoring his Father's laws to what was held outside them, and finding what was lost.
  • function [fʌ́ŋ(k)∫n] : 「職務、役割、機能、作用、働き」
  • restore [ristɔ́ː(r)] : 「回復させる、修復する、復活させる、復帰させる」
  • law [lɔ́ː] : 「法、法律、法規」
  • held [héld] : 「hold の過去形、過去分詞形」
  • hold [hóuld] : 「維持する、保持する、持続する」
  • lost [lɔ́(ː)st] : 「lose の過去・過去分詞形」
  • lose [lúːz] : 「~を失う、見失う、喪失する、なくす」
❖ "And there he finds ~ "「そして、その神聖な関係性の中で、神の子は、神の法の外に維持されていたものへ、神の法を復活させるという役割と、失われたものを発見するという役割を見い出すのだ」。"what was held outside them"「神の法の外に維持されていたもの」とは、神の法が無視された、まさに無法地帯である幻想世界の諸々のこと。その無法地帯に、神の法を復活させるのが神の子の役割の一つ。また、"what was lost"「失われたもの」とは、実相世界の真実のこと。本当の愛、平和、喜び、美、慈しみ、等々のこと。それらを再発見することも、神の子の役割の一つである。



Only in time can anything be lost, and never lost forever.
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
❖ "Only in time can ~ "「時間という枠組みの中にあってこそ、何かは失われるのであるが、永遠に失われてしまうものではない」。正確に言えば、忘れ去られるだけなのだ。忘れてしまった真実を思い出すこと、それもまた、神の子の役割の一つ。



So do the parts of God's Son gradually join in time, and with each joining is the end of time brought nearer.
  • part [pɑ́ː(r)t] : 「一部、部分」
  • gradually [grǽdʒu(ə)li] : 「徐々に、次第に、だんだん」
  • join [dʒɔ́in] : 「参加する、交わる、一緒になる、結合する、連結する」
  • each [íːt∫] : 「それぞれの、一つ一つの、めいめいの」
  • joining : 「連結、接合」
  • end [énd] : 「終わり、端、最後、終局、終焉」
  • brought [brɔ́ːt] : 「bring の過去・過去分詞形」
  • bring [bríŋ] : 「~を持って来る、~を連れて行く、~をもたらす」
  • near [níə(r)] : 「近い、近くにある、接近した、近接した」
❖ "So do the parts of ~ "「そうして、神の子の部分部分は、時間という枠組みの中で、次第に、結合していくのである」。 神の子の失われた部分部分が思い出され、次第に完全な神の子になっていく。神が神の子を創造したとき、神は神の属性のすべてを神の子に継承した。しかし、神の子は神から分離するとき、その属性のすべてを忘れ去ってしまったのである。その神の属性を思い出し、神の子が忘れていた部分部分を思い出し、完全な姿に復帰していくのだ。"and with each joining ~ "「部分部分が結合するとき、時間という枠組みの終わりは、どんどん近づいてくるのである」。幻想世界の終焉が近づいてくるのだ。そして、実相世界に目覚めたとき、その世界が時間も空間ももたない、完全に自由な世界であることを思い出すのである。時間が停止するのではない、時間が消滅するのだ。



Each miracle of joining is a mighty herald of eternity. No one who has a single purpose, unified and sure, can be afraid.
  • mighty [máiti] : 「強力な、力のある、並外れた、膨大な、力強い」
  • herald [hér(ə)ld] : 「予兆、先触れ、先駆者、使者、お触れ役」
  • eternity [itə́ː(r)nəti] : 「永遠、無限」
  • single [síŋgl] : 「ただ一つの、たった一つの」
  • purpose [pə́ː(r)pəs] : 「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味」
  • unified : 「一つにまとめられた、統一された、統合された」
  • sure [∫úə(r)] : 「自信がある、確かな、信頼できる、当てになる」
  • afraid [əfréid] : 「恐れて、心配して、怖がって」
❖ "Each miracle of joining ~ "「結合の奇跡が起きるたび、それは、永遠性の力強い前触れなのだ」。時間が消滅し、ただ永遠だけが続く実相世界の前触れである。"No one who has a single ~ "「ただ一つの目的しか持たない者は、統一され確信が持てるので、恐れを感じることはない」。実相世界に目覚めるという、ただ一つの目的に向かって進む者は、神の属性を思い出して完全な姿に戻りつつあるのだから、幻想の恐れに脅えることなど不可能なのだ。実相世界には、恐れという概念はない。



No one who shares his purpose with him can not be one with him.
  • share [∫éə(r)] : 「~を分ける、分かち合う、共有する、共用する」
❖ "No one who shares ~ "「その神の子の目的を、神の子と分かち合う者は、彼と一体になれないことはない」。神の子は、神聖な目的を同じにしている限り、心が一体となっていく。あなたとパートナーは、神聖な関係性の中で、完全に一体になれるのである。それは、共に実相世界に目覚めようとする二人の意思が統一されているからだ。肉体的な結合を遥かに超越した、完璧な融合である。



2. Each herald of eternity sings of the end of sin and fear. Each speaks in time of what is far beyond it.
  • sing [síŋ] : 「歌う、礼賛する」
  • sing of : 「〜を歌にする、〜を賛美する」
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、過失、罪業」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • speak [spíːk] : 「話す、口を開く」
  • speak of : 「~を口にする、~のことを話す」
  • far [fɑ́ː(r)] : 「はるかに、大いに、ずっと」
  • beyond [bi(j)ɑ́nd] : 「~の域を越えて、~を超越して、~の向こうに」
❖ "Each herald of eternity ~ "「永遠の前触れは、そのつど、罪と恐れの終焉を賛美する」。実相世界を目前にして、罪と恐れが消滅していく喜びを謳歌するのだ。"Each speaks in time ~ "「時間という枠組みの中にあって、一つ一つの永遠の前触れは、時間を遥かに超越したものを話し始めるのである」。"what is far beyond it"「時間を遥かに超越したもの」とは、実相世界の諸々のこと。永遠性の前触れは、実相世界の真実について語り始めるのである。実相世界の真実、美、が見え始めるからだ。



Two voices raised together call to the hearts of everyone, to let them beat as one.
  • voice [vɔ́is] : 「声、歌声」
  • raise [réiz] : 「上げる、引き起こす」
  • together [təgéðə(r)] : 「一緒に、同時に」
  • call to : 「~に声をかける」
  • heart [hɑ́ː(r)t] : 「心臓、胸」
  • beat [bíːt] : 「鼓動する、打つ、たたく」
  • as one : 「一つになって、一体となって、一斉に」
❖ "Two voices raised together ~ "「二人の声が一緒に上げられ、その声は、すべての人たちの心臓に呼びかける」。"to let them beat ~ "「心臓を一つに鼓動させようと、」呼びかける。心を一つに、鼓動を一つにしようと、呼びかけるのである。



And in that single heartbeat is the unity of love proclaimed and given welcome.
  • single [síŋgl] : 「ただ一つの、たった一つの」
  • heartbeat : 「心臓の鼓動、心拍」
  • unity [júːnəti] : 「統一、一致、一つであること、単一性、結束」
  • proclaim [proukléim] : 「宣言する、宣告する、~を明白に示す」
  • given [gívn] : 「give の過去分詞形」
  • welcome [wélkəm] : 「歓迎、歓待」
  • give a welcome : 「歓迎する」
❖ "And in that single heartbeat ~ "「一つになった鼓動の中にこそ、結合した愛が宣言され、歓迎が与えられるのだ」。実相世界は目前である。心は結合し、鼓動も結合し、そして、あなたと同胞の愛も結合する。そうして、神の子であるあなたとパートナーは実相世界に、大きな歓迎をもって迎え入れられるのだ。



Peace to your holy relationship, which has the power to hold the unity of the Son of God together.
  • peace [píːs] : 「平和、安らぎ、平穏、安心、安定」
  • holy [hóuli] : 「神聖な」
  • relationship [riléi∫n∫ìp] : 「関係、結び付き、かかわり合い、関連」
  • hold [hóuld] : 「維持する、保持する、持続する」
  • unity [júːnəti] : 「統一、結束一つであること、単一性」
❖ "Peace to your holy ~ "「あなたの関係性が平和でありますように」。"which has the power ~ "「あなたの関係性は、神の子を一緒にし、統一を維持するパワーをもっているのだから」。



You give to one another for everyone, and in your gift is everyone made glad.
  • one another : 「お互い」
  • glad [glǽd] : 「満足して、うれしく思う、喜んで」
❖ "You give to one another ~ "「あなたは、すべての人たちのために、互いに与え合うのだ」。"and in your gift ~ "「そして、あなたの贈り物に、すべての人が喜ぶのである」。あなたが与える、真実への気付き、実相世界への目覚め、その贈り物を、すべての人が喜んでくれる。そして、他者の喜びは、あなたの喜びでもある。



Forget not Who has given you the gifts you give, and through your not forgetting this, will you remember Who gave the gifts to Him to give to you.
  • forget [fə(r)gét] : 「~を忘れる、見落とす」
  • gift [gíft] : 「贈り物、プレゼント、与えること」
  • through [θruː] : 「~を通じて、~の手を経て、手を通して」
  • forgetting : 「忘却」
  • remember [rimémbə(r)] : 「~を覚えている、~を思い出す」
❖ "Forget not Who has given ~ "「あなたが与える贈り物を、あなたに与えた者を忘れてはならない」。つまり、あなたが同胞に与える贈り物は、そもそもホーリー・スピリットが神の子に与えた贈り物である。そのホーリー・スピリットを、決して忘れてはならない。"and through your ~ "「あなたが、このことを忘れないことで、」"will you remember Who ~ "「あなたは、あなたに贈り物を与えるために、ホーリー・スピリットに贈り物を与えたのが誰であるか、思い出すことになる」。つまり、贈り物の源である神を、あなたは思い出すことになる。神の意思を知るのである。神の愛を知るのである。
 
 
 

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